欧州連合(EU)からの離脱、いわゆる「ブレグジット」を巡って揺れ動くイギリスにおいて、憲政史上に残る極めて重要な判断が下されました。2019年9月24日、イギリスの最高裁判所は、ボリス・ジョンソン首相が進めていた約1カ月間にも及ぶ議会の閉会措置について、法に背く「違法」なものであるとの判決を言い渡したのです。
もともとジョンソン首相は、2019年9月10日から議会を休止させる強硬な姿勢を見せていました。しかし司法の場は、政府がこれほど長期にわたって議会を閉鎖しなければならない正当な理由を明確に示せていないと厳しく指摘しています。10月末という離脱期限が迫る中、国民の代表が議論する貴重な機会を奪った罪は重いと判断されたのでしょう。
ここで注目したい「議会閉会」という言葉ですが、これは単なる休会とは異なり、王室の承認を得て議会の全セッションを正式に終了させる手続きを指します。通常は新しい施政方針を示すために行われるものですが、今回のケースは離脱に反対する議員たちの口を封じるための「政治的な道具」として利用された疑いが強く、民主主義の根幹を揺るがす事態として危惧されていました。
SNS上では今回の判決を受け、「法の支配が守られた」「民主主義の勝利だ」と歓喜する声が溢れる一方で、政権支持層からは「司法による政治介入ではないか」という不満も噴出しています。世論が真っ二つに割れる中で下されたこの裁定は、崖っぷちに立たされていたジョンソン首相をさらに厳しい窮地へと追い込む決定打となったに違いありません。
私個人の見解としては、いかに困難な政治課題であっても、対話を拒絶する手法は近代民主主義において許されるべきではないと考えます。司法が独立性を保ち、権力の暴走にブレーキをかけた今回の判決は、イギリスという国家の自浄作用を示した素晴らしい事例ではないでしょうか。強引な突破を図るリーダーシップよりも、まずは透明性のある議論が優先されるべきです。
この歴史的な司法判断を受けて、ジョン・バーコウ下院議長は即座に反応を示しました。同氏は、2019年9月25日から議会を再開させる方針を早急に決定しています。本来あるべき姿へと時計の針が戻されたことで、EU離脱を巡る攻防は再び議事堂の中へと舞台を移し、世界中の注目を集めながら更なる熱を帯びていくことが予想されます。