2019年09月25日、日本の産業界に激震が走るニュースが飛び込んできました。政府は、中国から安価に流入している化学製品に対して、不当廉売(アンチ・ダンピング)の疑いがあるとして本格的な調査に乗り出す方針を固めたのです。これは日本のものづくりを守るための極めて重要な決断と言えるでしょう。
今回の調査対象となっているのは、主に建築用断熱材などの材料として欠かせない「リン系難燃剤(TCPP)」と呼ばれる物質です。この難燃剤は、その名の通りプラスチックなどの材料を燃えにくくするために添加される薬剤で、私たちの住まいや建物の安全性を影で支える非常に重要な役割を担っています。
驚くべきことに、2018年度における国内市場の状況を確認すると、このリン系難燃剤のシェアは7割以上を中国からの輸入品が占めるという歪な構造になっていました。あまりにも安価な海外製品の攻勢により、日本の優れた技術を持つメーカーが苦境に立たされている現状は、無視できない段階に達したと言えます。
事態を重く見た国内メーカーの大八化学工業は、政府に対して正式に調査を求める申請を行いました。これを受け、財務省と経済産業省は2019年10月にも公式な調査を開始する予定です。もし不当に低い価格での販売が事実と認定されれば、国内産業を保護するための追加関税といった対抗措置が検討されます。
SNS上では今回の政府の動向に対し、「ようやく重い腰を上げたか」「日本の化学産業が守られることを切に願う」といった期待の声が上がる一方で、輸入品の価格上昇による建築コストへの影響を懸念する意見も見受けられます。安さと引き換えに国内の供給基盤を失うリスクを考えれば、今こそ冷静な議論が必要でしょう。
日本の技術力を守る「アンチ・ダンピング」の意義とは
ここで専門用語である「反ダンピング(不当廉売)調査」について詳しく解説します。これは、輸出国の企業が自国での販売価格よりも著しく低い価格、あるいは製造原価を割り込むような価格で他国へ輸出することを防ぐためのルールです。公正な競争を維持するために、国際的にも認められた正当な権利です。
私は今回の政府の迅速な対応を強く支持します。自由貿易は大切ですが、それが不当な安売りによって国内の製造拠点を破壊するものであってはなりません。一度失われた工場や熟練の技術を取り戻すには、何十年もの歳月が必要になるからです。日本の将来を見据えた時、この調査は避けて通れない道だと言えるでしょう。
2019年09月25日の発表により、今後の日中貿易のバランスや化学品市場の動向にはさらなる注目が集まるはずです。政府には透明性の高い調査を期待するとともに、国内メーカーが再び健全な競争力を発揮できる環境が整うことを切に願ってやみません。私たちの暮らしの安全を守るためにも、この問題の推移を見守りましょう。