組織の壁を越える「知識創造」の旅路:野中郁次郎氏が説く共同研究の真髄と一橋大学への帰還

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日本が世界に誇る経営学者、野中郁次郎氏の歩みは、常に「他者との共鳴」の中にありました。氏は自身の能力の限界を謙虚に認めた上で、自分一人では到達できない高みを目指し、異なる才能を持つパートナーと手を取り合うスタイルを貫いています。2019年09月24日時点でも、その情熱が衰えることはありません。

自分にない視点や専門性を持つ人物と積極的にペアを組む手法は、まさに氏が提唱する「暗黙知(経験や勘など言語化しにくい知識)」を「形式知(文章や図解で表現された知識)」へと変換するプロセスの体現と言えるでしょう。この共同作業こそが、新しい価値を生み出す源泉なのです。

特筆すべきは、一橋大学の名誉教授となった後に、再び現役の教授として教壇に復帰した異例の経緯です。これは、同大学に世界基準の経営大学院(MBA)を設立しようと奔走した竹内弘高氏の尽力によるものでした。信頼し合える仲間の存在が、野中氏を再びアカデミズムの最前線へと呼び戻したのです。

復帰後もその活動量は凄まじく、複数の共同プロジェクトを同時並行で進めています。経営学のみならず、ライフワークである「失敗の本質」から続く戦争研究も継続されており、多方面での執筆活動も止まりません。SNS上では「これほどの実績がありながら、なお謙虚に他者の助けを借りる姿勢に感銘を受けた」との声が広がっています。

私は、この野中氏の姿勢こそが、現代の停滞した組織を打破する鍵だと確信しています。個人の力に固執せず、他者との「共創」を重んじる態度は、効率ばかりを追い求める現代社会が見失いがちな、人間中心の経営の本質を突いています。知の巨人が見せる飽くなき探究心は、私たちに勇気を与えてくれるでしょう。

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