三菱重工業のグループ企業である三菱航空機が、国産初の民間ジェット旅客機「スペースジェット(旧MRJ)」の開発を次のステージへと進めるため、カナダのモントリオールに新たな設計拠点を設けることを決定しました。2019年09月25日、愛知県豊山町を拠点とする同社が発表したこの戦略は、世界の航空機開発の要所へ進出することで、滞っている開発スピードを劇的に引き上げる狙いがあるようです。
現在は商用運航のパスポートとも言える「型式証明(TC)」を取得するため、アメリカのワシントン州を中心に懸命な試験飛行が続けられています。型式証明とは、機体の設計が安全性や環境適合性の基準を完全に満たしていることを国が証明する極めて重要なライセンスのことです。しかし、これまでに納入時期が5度も延期されており、今回の新拠点設立は、まさに背水の陣で挑む遅延挽回策といえるでしょう。
世界の知恵が集うモントリオールで開発体制を再構築
新拠点の設置先に選ばれたモントリオールは、世界的な航空機メーカーが集結する「航空宇宙産業のハブ」として知られています。ここには経験豊富な技術者が多数在籍しており、三菱航空機は現地の優秀なエキスパートを即戦力として採用する方針を固めました。SNS上では「ようやく海外の知見を本格的に取り入れるのか」「今度こそ日本の翼が羽ばたく姿を見たい」といった、期待と叱咤激励が入り混じった声が数多く寄せられています。
個人的な視点で見れば、自前主義に固執せず、グローバルな知見を柔軟に取り入れる姿勢は、停滞したプロジェクトを打破するために不可欠な決断だったと感じます。航空機開発は数万点に及ぶ部品と複雑なシステムが絡み合う究極の精密産業であり、一企業の力だけで完結させるのは容易ではありません。カナダでの新拠点開設が、これまで苦戦してきた設計変更や認証作業のプロセスを劇的に効率化させる起爆剤になることを切に願っています。