コンビニ売上高が3カ月ぶりプラス!2019年8月実績から読み解く「客単価上昇」と「たばこ・チケット」の底力

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

日本フランチャイズチェーン協会が2019年09月25日に発表した速報値によると、同年8月のコンビニエンスストア既存店売上高は、前年同月と比較して0.8%増の9362億円に達しました。売上高が前年を上回るのは実に3カ月ぶりのことで、業界全体に明るい兆しが見えています。加工食品の販売が振るわない中で、全体の数字を力強く押し上げたのは「たばこ」や「イベントチケット」といったカテゴリーの躍進でした。

注目すべきは、店舗を訪れる「客数」と、一人あたりの購入額を示す「客単価」の対照的な動きです。客数は前年同月比2.5%減と6カ月連続でマイナスを記録していますが、一方で客単価は3.3%上昇し、10カ月連続でプラスを維持しています。この客単価の推移は、現代の消費者がコンビニに対して「ついで買い」以上の価値を見出している証拠といえるでしょう。SNS上でも「最近のコンビニは単価が高いけれど便利さには勝てない」といった声が散見されます。

部門別で目覚ましい成長を遂げたのが、7.3%増を記録した「サービス」部門です。ここには、店頭の多機能端末で購入できるコンサートやスポーツイベントのチケット販売が含まれます。こうした「モノ」ではなく「体験」にお金を払う消費行動が、コンビニの収益構造を支える重要な柱となっているのです。専門用語で言えば、利便性という付加価値によって顧客満足度を高め、来店頻度の減少をカバーする戦略が功を奏している状況と分析できます。

また、非食品部門も4.2%増と堅調な伸びを見せており、特にたばこの販売が継続して全体を牽引しています。たばこは単価が高く、定期的な購入が見込める商品であるため、売上高の維持に大きく貢献した形です。ネット上では「たばこを買うついでに飲み物も買ってしまう」といったユーザーの投稿も多く、特定の目的を持って来店する顧客が、結果として客単価の底上げに寄与している様子が浮き彫りになっています。

私個人の見解としては、客数が減り続けている現状には一抹の不安を覚えます。単価の上昇でカバーできているうちは良いですが、生活者の財布の紐がさらに固くなれば、売上維持は困難になるでしょう。今後は単なる「利便性」の提供に留まらず、各チェーンが独自の魅力的な惣菜や限定商品を開発し、わざわざ足を運びたくなる「来店動機」をいかに創出できるかが、持続的な成長の鍵を握ると確信しています。

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*