2019年09月26日、日本の宇宙開発に新しい風が吹こうとしています。小惑星探査機「はやぶさ」の次なる挑戦、いわゆる「はやぶさ3」プロジェクトにおいて、資金の一部を広く国民から募るクラウドファンディングの活用が提案されました。これまでの基礎研究は、国が配分する税金に依存する形が一般的でしたが、その常識が大きく覆されようとしているのです。この動きは、単なる予算不足の穴埋めではなく、科学のあり方そのものを問う一石となるでしょう。
クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の人々から少額ずつ資金を集める仕組みを指します。SNS上では「自分の払ったお金が宇宙へ行くなんて夢がある」「応援したい研究に直接投資できるのは嬉しい」といった、前向きな反響が数多く寄せられています。国民が自らの意思で支援先を選べるこの手法は、遠い存在に感じられがちな最先端科学を、より身近な「自分たちの物語」へと昇華させる力を持っているのではないでしょうか。
税金依存からの脱却と「物語性」への正当な評価
科学研究には膨大なコストがかかりますが、短期的な利益が見えにくい基礎研究は、予算削減の対象になりやすいのが現実です。しかし、はやぶさシリーズが持つ「困難を乗り越えて帰還する」というドラマには、多くの人々を惹きつける強い物語性が宿っています。こうした人々の感情や期待を、研究費という具体的な形へ変換するシステムを構築すべき時期に来ているといえます。納税者が主体的に参加する科学は、民主主義的な進化とも言えるはずです。
私は、この取り組みが日本の科学技術振興における「第2のエンジン」になると確信しています。もちろん、全ての研究を寄付で賄うことは不可能ですが、はやぶさのようなシンボリックなプロジェクトが先陣を切る意義は極めて大きいでしょう。2019年09月26日現在のこの議論が、将来的に「科学者は孤独な研究者ではなく、ファンと共に歩む冒険者である」という新しい価値観を定着させるきっかけになることを切に願ってやみません。