【豪ドル急落】5カ月ぶり安値更新の背景を徹底解説!失業率高止まりと中国経済の減速で利下げ観測が加速か?

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2019年6月14日、外国為替市場においてオーストラリアドル(豪ドル)が対円で大きく値下がりし、一時、1豪ドル=74円60銭近辺という約5カ月ぶりの安値を記録しました。この背景には、オーストラリア国内の雇用統計の弱さ、そして主要な輸出相手国である中国経済の減速懸念が挙げられます。投資家の間で、オーストラリア準備銀行(RBA:Reserve Bank of Australia、豪州の中央銀行)による利下げへの警戒感が一層強まっており、今後の相場の行方に注目が集まっています。

この日の東京市場では、朝方から豪ドルが売られる展開となりましたが、午後に発表された中国の経済指標がさらなる下落を招きました。具体的には、5月の工業生産(製造業や鉱業などの生産活動を示す指標)の対前年同月比の伸び率が市場の事前の予測を下回ったことが判明したのです。この結果を受け、「外為どっとコム総合研究所」の神田卓也氏も、「米中間の貿易摩擦が激化する中で、中国の指標が弱いと、その影響がオーストラリアの貿易にも波及するのではないかという懸念が改めて意識された」と指摘されています。ソーシャルメディア上でも、中国経済のニュースが流れるたびに、「豪ドルが売られる」という認識が広がり、市場のセンチメント(投資家の心理)の悪化が感じられる状況でした。

豪ドルの上値が重くなる(価格が上がりにくい状態)主な要因として、RBAによる利下げ観測が根強く存在していることが挙げられます。「野村証券」の宮入祐輔氏も、「RBAの金融政策(中央銀行が行う金利の上げ下げなどを通じた経済の調整策)に関する観測が続いている以上、豪ドルが勢いよく上昇するのは難しいでしょう」との見方を示されています。特に、6月13日に発表された5月の失業率は前月と変わらず5.2%となり、市場が予想していたよりも高い水準で推移しました。RBAが金融政策を決定する上で重要視していると公言していた労働市場の弱さが確認されたことで、市場ではRBAがさらなる利下げに踏み切る可能性が高いと見られています。

こうした状況を踏まえると、私個人の意見としては、現状は豪ドルにとって非常に厳しい局面であると言わざるを得ません。RBAが利下げに踏み切ると、オーストラリアの金利は低下し、結果として相対的に金利の高い通貨へ資金が流出しやすくなるため、豪ドルにとっては大きな下落圧力となります。宮入氏は、「米中間の貿易摩擦が悪化するなど、投資家がリスクを避ける動き(リスク回避)が強まれば、9月末までには1豪ドル=73円台という水準も視野に入ってくるでしょう」と警鐘を鳴らしています。この不安定な相場環境は、今後もしばらく続く可能性が高く、投資家はオーストラリアの経済指標や米中の動向に細心の注意を払う必要がありそうです。

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