認知症になっても自分らしく。マネーフォワードが挑む「決済データ」を活用した新しい家族信託とQOL向上の未来

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日々の買い物や公共料金の支払いで積み重なる決済データは、単なる数字の羅列ではありません。マネーフォワードの取締役兼Fintech研究所長を務める瀧俊雄氏は、これらのログが個人の人生や価値観を正確に映し出す「無意識の雄弁な記録」であると提唱しています。2019年09月26日現在、同社はこのデータを活用して、認知症患者とその家族を支える革新的なサービスの構築に乗り出しました。

日本は世界に先駆けて超高齢社会を迎えており、認知症への対策は避けて通れない喫緊の課題といえるでしょう。たとえ認知能力が低下したとしても、本人の意思決定を尊重し続けることが、尊厳を守る上で極めて重要です。そこで注目されているのが、過去の決済ログに基づいた意思決定の補完です。これがあれば、ケアマネジャーや家族は、本人のこれまでの嗜好に沿った精度の高い支援を展開できるはずです。

テクノロジーで実現する「自由」と「守り」の両立

米国ではすでに、高齢者向けに利用可能な店舗をあらかじめ制限したデビットカードなどの先進的な金融サービスが登場しています。これは、Fintech(フィンテック)と呼ばれる、金融とITを融合させた技術の恩恵です。こうした仕組みにより、不適切な支出を防ぎながらも、本人が自分でお金を使う自由を維持できるようになります。単に「危ないから取り上げる」という弱者保護の視点から一歩踏み込んでいるのが特徴です。

SNS上では、「親の通帳管理は揉め事の種になりやすいので、客観的なデータに基づいた支援は非常に助かる」「認知症になっても自分でお金を使える喜びは、QOL(生活の質)に直結する」といった期待の声が多く寄せられています。QOLとは、身体的な健康だけでなく、精神的な満足感や社会的な繋がりを含めた、人生の質全体を指す言葉です。テクノロジーによって、不自由を強いることなく安心を設計する試みが支持されています。

私は、この取り組みこそが日本が「課題先進国」として世界に示すべき答えだと確信しています。認知症を特別なことではなく、誰にでも起こりうる「前提」として捉え、金融システムそのものを再設計する姿勢には深く共感せざるを得ません。管理することだけを目的にせず、最期までその人らしく生きるための自由をどう確保するか。この温かな視点こそが、これからのデジタル社会に求められる真の優しさではないでしょうか。

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