2019年5月28日、のどかな観光農園のイメージを覆す衝撃的なニュースが駆け巡りました。愛知県警が、岡山県赤磐市の「西山ファーム」関係先へ一斉に家宅捜索に入ったのです。容疑は「出資法違反」。これは、元本保証や確実な配当を約束して、不特定多数の人から許可なくお金を集めることを禁じる法律です。果物販売への投資で高配当が得られるとうたい、全国約1500人もの人々から多額の資金を違法に集めていた疑いが持たれています。
彼らの手口は巧妙かつ現代的でした。2016年頃から、桃やイチゴといった農作物への投資を名目にした「預託商法」を展開。さらに、SNSを活用したビジネスも拡大させました。それは、化粧品などをクレジットカードで大量購入し、その写真をSNSに投稿すれば広告報酬が得られ、商品は業者が買い取るという触れ込みでした。「在庫リスクなしでポイントも貯まる」という甘い言葉に、多くの人が引き込まれてしまったのです。
しかし、その夢は唐突に破綻を迎えます。2019年2月末、約束されていた報酬の支払いが突如としてストップしたのです。残されたのは、高額なクレジットカードの請求だけでした。SNS上では当時、「カードの引き落としができない」「信じていたのに人生が終わった」といった被害者たちの悲痛な叫びが溢れかえり、まさに阿鼻叫喚の様相を呈していました。
かつては女性芸能人が訪れるなど、華やかな宣伝も行われていただけに、その裏切りの衝撃は計り知れません。「簡単に稼げる」という誘い文句の裏には、常に危険な落とし穴が潜んでいるものです。観光農園という牧歌的な仮面の下で行われていたとされる、この悪質な投資スキームの全容解明が待たれます。