世界中のスポーツファンが熱狂する米プロバスケットボールリーグ「NBA」が、ついに未知なる巨象、インドの地へと足を踏み入れます。2019年10月4日から5日にかけて、インドでは史上初となる記念すべき公式戦が開催されることとなりました。この歴史的な一戦を前に、現地の熱気は凄まじい盛り上がりを見せており、1枚8000ルピー(日本円で約1万2000円)という現地ではかなりの高額に設定された座席から順番に完売するという異例の事態が起きています。
NBAインド事務所で尽力されているシッダルタ・チュリーさんは、現在の状況を「競技人口そのものはまだ発展途上だが、バスケットボールへの関心は確実に高まっている」と分析しています。今回の初開催における最大の目的は、何といっても現地ファンの獲得と市場の掘り起こしに他なりません。SNS上でも「ついにインドで本場のプレーが見られるのか」「チケット争奪戦が激しすぎる」といった期待の声が相次いでおり、スポーツビジネスの新たな夜明けを予感させます。
NBAは今回の試合開催に先駆け、2年前からインド国内の複数都市でバスケットボールスクールを開校しており、6歳から18歳までの男女を対象とした育成に力を注いできました。また、サッカー界からもスペインの名門クラブである「FCバルセロナ」が同様にスクールを展開しており、競技の普及とブランド価値の向上を狙っています。こうした動きは、単なるスポーツ振興に留まらず、将来的なプロリーグの基盤作りや、関連グッズの販売ルートを確立するための高度な戦略と言えるでしょう。
クリケット一強時代に挑むバスケットボールとサッカーの野望
現在、インドにおける「国民的スポーツ」の地位を独占しているのはクリケットであり、その経済規模は桁外れです。プロリーグの放映権料は5年間で約2800億円という巨額に達し、興行収入やウェア販売を含めたスポーツビジネスの全体像は計り知れないポテンシャルを秘めています。NBAや欧州サッカークラブがこの巨大市場に熱視線を送るのは当然の帰結であり、王道であるクリケットの人気にどこまで食い込めるかが今後の大きな焦点となります。
個人的な見解としては、インドの若年層の人口爆発とスマートフォンの普及を考えれば、この戦略は極めて賢明な投資だと感じます。特にバスケットボールは都市部の狭いスペースでもプレー可能であり、スタイリッシュなファッション性も相まって、新しい文化を求めるインドの若者たちの心を掴む可能性は十分にあります。クリケットという巨大な壁に挑むNBAやバルセロナの挑戦は、21世紀のスポーツビジネスにおける最もエキサイティングなフロンティア争いとなるに違いありません。