関西電力の役員らが、福井県高浜町の元助役から多額の金品を受け取っていた問題が、日本中に大きな衝撃を与えています。2019年09月27日の記者会見では、情報の開示を渋るような姿勢が目立ち、世間からは猛烈なバッシングが巻き起こりました。こうした批判の渦を受け、関西電力は2019年09月29日、一転して受領者20名全員の氏名や詳細な金額を公表する方針を固めました。隠蔽体質とも取られかねない初期対応が、かえって事態を悪化させた形です。
SNS上では、「電力料金を払っている立場として許せない」「コンプライアンス(法令遵守)はどうなっているのか」といった怒りの声が溢れ返っています。特に、岩根茂樹社長が当初「個人のプライバシー」を理由に公表を拒んだ点については、公的なインフラを担う企業のトップとしての自覚を問う厳しい意見が相次ぎました。信頼回復への道は険しく、近く開催される予定の再度の記者会見では、どこまで踏み込んだ説明がなされるのか、国民の厳しい視線が注がれています。
原発の「顔役」から流れた3億円、歪んだ癒着の構図
今回の問題のキーマンは、2019年03月に90歳で亡くなった森山栄治氏です。彼は高浜町の助役を退任した後も、原子力発電所の関連業務を請け負う複数の企業で役員や顧問を歴任していました。いわば地元の「フィクサー」的な存在であり、原発運営には欠かせない影響力を持っていたとされます。2011年から2018年にかけて、彼から関電側に渡った金品は、なんと総額約3億2千万円相当。この莫大な資金の出どころと、還流の仕組みを解明することが急務です。
特に注目すべきは、森山氏が顧問を務めていた建設会社の急成長でしょう。この会社は高浜原発の関連工事を次々と受注し、2018年08月期の売上高は5年前と比較して6倍以上にも跳ね上がっています。関電側は「発注プロセスは適切だった」と弁明していますが、これほど露骨な数字を見せつけられては、癒着を疑うなという方が無理というものです。工事代金として支払われた電気料金の一部が、裏金として役員に還流していたのではないかという疑惑は拭えません。
株主も激怒!大阪市・松井市長が「株主代表訴訟」を視野に猛抗議
この事態に、関西電力の筆頭株主である大阪市も黙ってはいません。松井一郎市長は2019年09月29日、視察先の欧州から帰国した直後、空港で記者団に対し強い憤りを表明しました。「株主の利益が損なわれている」と断じ、幹部の責任追及のために「株主代表訴訟」も辞さない構えを見せています。株主代表訴訟とは、会社に代わって株主が役員の責任を追及する裁判のことで、これが現実味を帯びるほど、経営陣へのプレッシャーは極限まで高まっています。
個人的な見解を述べさせていただくなら、今回の不祥事は単なる「もらい事故」ではなく、原子力産業が抱える構造的な闇が噴出したものと言わざるを得ません。地域共生の名の下で行われてきた不透明な資金のやり取りは、現代のクリーンな企業経営とは程遠いものです。関電は2018年09月に社内調査を終えていたにもかかわらず、1年近くも公表を控えていました。この隠蔽こそが、顧客である我々一般市民への最大の裏切りであり、徹底的な膿出しが必要不可欠でしょう。