化学業界の巨頭である三井化学株式会社は、2019年9月27日、翌月となる2019年10月1日付で実施される新たな人事異動を公表しました。今回の組織改編では、私たちの生活に欠かせない衛生用品や次世代のエネルギー産業を支える重要部門において、リーダー層の入れ替えが行われます。
特に注目したいのが、ヘルスケア事業本部の不織布(ふしょくふ)事業部です。不織布とは、繊維を織らずに絡み合わせたシート状の布のことで、おむつやマスクなどの「衛材(えいざい)」、フィルターや土木資材などの「産材(さんざい)」といった多岐にわたる用途で活躍しています。
SNS上では、「三井化学の不織布は品質が高いから、この新体制でさらに供給が安定してほしい」といった期待の声が寄せられており、産材グループリーダーに就任する才本芳久氏や、衛材の舵を取る山本隆史氏の手腕に大きな関心が集まっているようです。
さらに、研究開発分野でも重要な動きが見られます。電気自動車の普及などで需要が高まる「電池材料」部門において、合成化学品研究所の所長を務める小畑敦生氏がグループリーダーを兼任する形となり、開発スピードの加速を狙っていることが伺えます。
一方、これまで電池材料を担当していた藤原和俊氏は、繊維強化複合材のグループリーダーへと転身します。これは、プラスチックに繊維を混ぜて強度を高めた「複合材」を、自動車の軽量化などの新たな成長エンジンとして育てようとする同社の強い意志の表れでしょう。
編集者の視点から言えば、今回の人事は単なる席替えではなく、将来の市場ニーズを見越した「攻め」の布陣であると感じます。各分野のスペシャリストを最適な場所に配置することで、三井化学が掲げる持続可能な社会の実現に向けたイノベーションがさらに加速するに違いありません。