物流危機の救世主!在庫拠点の「分散」が加速する2019年最新トレンドと輸送コスト削減の秘策

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物流業界を長年支えてきた「集約型」のモデルが、今まさに大きな転換期を迎えています。1990年代以降、多くの大手メーカーはコスト効率を最優先し、在庫拠点を一箇所にまとめる戦略を推し進めてきました。しかし、2019年9月27日現在の状況を鑑みると、その流れは完全に逆転し、再び拠点を各地へ広げる「分散」の動きが顕著になっています。SNS上でも「最近、送料の値上げが止まらない」「荷物が届くのが遅くなった気がする」といった切実な声が溢れており、物流現場の切迫した空気が一般消費者にも伝わっているようです。

この変化の背景には、深刻なトラック運賃の高騰があります。特に長距離輸送のコストは跳ね上がり、車両を確保すること自体が困難な「物流危機」とも呼べる事態に陥りました。これまでは在庫を持たずに運営していた地方の積み替え拠点に、あえて一定の在庫を配備する企業が急増しています。中央の大型基地から何度も補充を繰り返す手間を省き、幹線輸送の回数を減らすことで、コストを抑えようという必死の工夫が垣間見えます。幹線輸送とは、拠点間を大型車両で結ぶ大量輸送のことで、この効率化が企業の命運を握っているのです。

EC業界も直面する「距離別運賃」の壁と分散出荷のメリット

BtoC、いわゆるネット通販などの個人向け物流も、同様の課題に直面しています。大手宅配会社が、大口顧客に対して適用していた全国一律の運賃体系を廃止し、配送距離に応じた厳格な料金設定へ移行したためです。地価の安い郊外に巨大な倉庫を構え、そこから全国へ発送するという従来の勝ちパターンは、もはや通用しなくなりました。遠方への配送コストが跳ね上がった今、消費者のすぐ近くに荷物を置いておく必要性が高まっています。この「リードタイム(発注から納品までの時間)」の短縮が、顧客満足度の維持に直結するでしょう。

もちろん、拠点を安易に増やせば「在庫の偏り」による欠品リスクが高まり、管理コストや倉庫費用も増大するという弱点があります。しかし、現在の物流環境では、そのデメリットを上回るほど、末端の配達コストを抑えるメリットが大きくなっているのです。私は、この「分散化」こそが、単なるコスト削減策に留まらず、災害時などの供給停止を防ぐBCP(事業継続計画)対策としても、現代の企業が備えるべき不可欠な戦略であると考えます。安定した供給網を維持することは、企業の社会的責任そのものと言えるはずです。

こうしたニーズに応える革新的なサービスも登場しています。物流不動産開発のCRE傘下にあるブレインウェーブが展開する「はぴロジ」は、クラウド技術を駆使して全国の提携倉庫へ在庫を最適に分散させる仕組みを提供しています。注文が入ると、配送先に最も近い倉庫から自動的に出荷指示が出る「分散出荷」のシステムは、もともとEC事業者向けに開発されたものでした。しかし、2019年現在の運賃高騰を受け、今ではBtoBを主軸とする一般企業の間でも、コスト削減の切り札としてその存在感が急速に高まっているようです。

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