2019年9月27日、鹿児島県警は鹿児島市内の国道で極めて悪質な「あおり運転」を行い、男性会社員を脅迫したとして、33歳の無職の男を逮捕しました。事件が発生したのは2019年9月24日の午前0時5分ごろで、現場となったのは交通量の多い国道225号です。容疑者は被害者の車を執拗に追い回した末に追い越し、交差点で進路を塞いで「殺すぞ」と罵声を浴びせたとされています。深夜の静まり返った道路で突如として牙を剥いたこの暴力的な行為は、決して許されるものではありません。
今回の事件で特に驚きを隠せないのは、逮捕された男が「無免許」の状態で知人の車を運転していたという事実でしょう。本来であれば公道を走る資格すらない人物が、他者の命を危険にさらすあおり運転に及んでいたことは、二重の意味で法を軽視していると言わざるを得ません。あおり運転とは、後方から車間距離を極端に詰めたり、強引な割り込みを行ったりして相手を威圧する「妨害運転」を指します。警察は、道交法違反(無免許運転)の容疑も視野に入れ、事件の全容解明に向けて厳重な捜査を進めている状況です。
事件解決の決定打となったのは、被害車両に搭載されていた「ドライブレコーダー」の存在でした。犯行の一部始終を記録した映像がテレビやSNSを通じて瞬く間に拡散され、ネット上では「絶対に許せない」「早く捕まってほしい」といった怒りの声が溢れかえりました。現代におけるドライブレコーダーは、単なる記録装置ではなく、身を守るための最強の盾であり、逃げ得を許さない「動かぬ証拠」となります。SNSでの凄まじい反響に恐怖を感じた容疑者は、2019年9月26日に知人に付き添われて出頭するに至りました。
容疑者は警察の調べに対し、「急ブレーキをかけさせられたからやった」と身勝手な動機を供述しており、被害者の窓ガラスを叩くなどの威嚇行為も認められます。しかし、いかなる理由があろうとも、公道で他者を恐怖に陥れる権利は誰にもありません。私は、こうした理不尽な暴力から身を守るためには、物理的な証拠を残すことの重要性が改めて浮き彫りになったと感じます。誰もが安心してハンドルを握れる社会を作るためには、厳罰化とともに、ドライバー一人ひとりが「見られている」という意識を持つことが不可欠ではないでしょうか。