キャンプの常識を覆す、贅沢なアウトドア体験「グランピング」が今、驚きの進化を遂げています。もともと「グラマラス(魅力的な)」と「キャンピング」を組み合わせたこのスタイルは、かつて欧米の富裕層が専属料理人を伴って優雅に自然を楽しんだ文化がルーツです。最近では、アウトドアブランドや有名ホテルが手掛ける本格的な施設が続々と登場しており、大切な人との記念日を祝う特別な場所として注目を集めています。
SNS上でも「設営の手間がなく、ホテルのような快適さで自然を満喫できる」と話題を呼んでおり、特にキャンプ初心者や女性グループからの支持が急増しています。2019年09月28日現在、一般社団法人日本オートキャンプ協会の調査によれば、キャンプ人口は6年連続で増加中とのこと。道具を揃えるハードルを感じていた層にとって、手ぶらで豪華な食事と絶景を楽しめるグランピングは、まさに理想的なレジャーと言えるでしょう。
北アルプスを望む至高のスイート体験
2019年07月、長野県白馬村に誕生した「スノーピークフィールドスイート 白馬・北尾根高原」は、その圧倒的なスケール感で訪れる人々を魅了しています。標高1200メートルに位置し、3000メートル級の北アルプスを一望できるこの施設は、人気ブランドのスノーピークが八方尾根開発とタッグを組んで運営。JR長野駅からの送迎までつくという、まさに「至れり尽くせり」なサービスが提供されています。
宿泊客が滞在するのは、特別に開発された約50平方メートルの広々としたテントです。室内には快適なベッドやコーヒーセットが完備され、側面を開放すれば山々の息吹をダイレクトに感じることができます。夕食には地元・長野の豊かな食材をふんだんに使った創作コース料理が振る舞われ、露天風呂で疲れを癒やすことも可能です。自然の雨音や風を感じながら、ホテルのようなホスピタリティを享受できるのは、この上ない贅沢です。
アクティビティーから冬の「こたつ」まで
高知県本山町に2019年07月にオープンした「モンベル アウトドアヴィレッジ本山」では、より動的な自然体験が提案されています。吉野川を望むロケーションで、ラフティングやカヤックといった水上アクティビティー、さらには「トレッキング(山歩き)」やサイクリングも楽しめます。専門知識が必要な「沢登り」なども、施設側のサポートがあれば家族連れでも安心して挑戦できるのが魅力です。
また、これからの秋冬シーズンに真価を発揮するのが、山梨県の「星のや富士」です。意外にも、利用者満足度が最も高いのは「冬」だといいます。澄み切った空気の中で星空を眺める空中テントや、屋外ラウンジに用意された「こたつ」でホットカクテルを嗜む時間は、冬のキャンプならではの醍醐味です。寒ささえも最高の演出に変えてしまう工夫が、大人たちの知的好奇心を刺激して止みません。
筆者の視点として、グランピングの真の価値は「自然への入り口」を広げた点にあると考えます。不便を楽しむのがキャンプの旧来の美学でしたが、プロのサービスを介することで、誰もが自然の厳しさを回避しつつ、その美しさだけを抽出して堪能できるようになりました。日常の喧騒を離れ、心からリフレッシュしたい休日。少し奮発して、五感を研ぎ澄ます「大人の休息」を選んでみてはいかがでしょうか。