劇的V2!西武ライオンズ逆転優勝の舞台裏、炎上続きの先発陣が9月に見せた「奇跡の覚醒」とは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

埼玉西武ライオンズが、圧倒的な破壊力を誇る「山賊打線」を武器にパ・リーグ2連覇という偉業を成し遂げました。2019年に入り、一時は首位ソフトバンクに8.5ゲーム差をつけられる絶望的な状況もありましたが、そこからの大逆転劇はまさに圧巻の一言です。SNS上でも「これぞ獅子の底力」「打線が異次元すぎる」とファンが狂喜乱舞する中、実は優勝の決定打となったのは、意外にもシーズン終盤に劇的な変貌を遂げた先発投手陣の奮起にありました。

2019年8月の西武は、まさに記録的な猛攻を見せていました。月間チーム打率.299、47本塁打という驚異の数字を叩き出し、1試合平均で6点以上を奪う攻撃力は、対戦相手にとって恐怖そのものだったでしょう。しかし、その裏で先発陣は苦しい戦いを強いられていました。8月1日から8月12日にかけては、なんと10試合連続で初回失点を喫するという不安定な立ち上がりが続き、月間防御率は5.44と、ファンも思わず頭を抱えるような状況だったのです。

そんな「打てるけれども守れない」というチームカラーが、勝負の9月に入ると劇的な変化を見せ始めます。8月には1試合平均で6点を失っていた投手陣が、9月には月間防御率3.30と見違えるような安定感を取り戻したのです。特に注目すべきは「クオリティ・スタート(QS)」の多さです。これは先発投手が6イニング以上を投げ、自責点を3以内に抑えることを指す指標ですが、9月は21試合中13試合でこの基準をクリアする充実ぶりでした。

助っ人ニールと十亀が見せた「精密機械」の輝き

この投手王国復活の立役者となったのが、来日1年目のザック・ニール投手です。彼は派手な奪三振ショーを演じるタイプではありませんが、低めにボールを集めてゴロを打たせる術に長けています。2019年9月18日のオリックス戦では、今季最長となる8イニングを無失点に抑える快投を披露しました。自らの投球スタイルを「ゴロを打たせる投手」と分析する通り、無駄な四球を出さないテンポの良い投球が、守る野手陣にも最高の懸かりをもたらしました。

エース格の奮闘は周囲にも伝染するものです。ニール投手の好投に刺激を受けた十亀剣投手も、翌日の2019年9月19日の日本ハム戦で8回途中まで無失点という圧巻のパフォーマンスを見せました。辻発彦監督も「大事な場面でよく投げてくれた」と手放しで称賛するほど、この二人の制球力は冴え渡っていたのです。ストライクを先行させる強気のピッチングこそが、強打を誇るライオンズに守備のリズムという新たな武器を授けました。

さらに若手陣の成長も優勝へのラストスパートを加速させました。2019年9月21日の楽天戦では今井達也投手が7回無失点の力投を見せ、2019年9月23日には本田圭佑投手が相手のエースと互角に渡り合うなど、プレッシャーのかかる大一番で自らの役割を全うしました。強力打線に頼り切るのではなく、自らの腕で勝利を掴み取るという投手陣のプライドが、チームを一つにまとめ上げたのは間違いありません。

個人的な見解を述べさせてもらえば、野球において「打線は水物」と言われる中、最後にモノを言うのはやはり投手の踏ん張りだと痛感させられました。どんなに打ってもそれ以上に取られては勝てないという不安を、この9月の先発陣は見事に払拭してくれました。2019年9月24日のロッテ戦で優勝を決めた際、ニール投手が粘りの投球を見せた姿は、今の西武の強さを象徴しています。この安定感が継続すれば、2008年以来の日本一奪還も決して夢ではないでしょう。

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*