消費税10%後の未来はどうなる?2019年政府税調「中期答申」が描く令和の税制と山積する課題

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2019年9月28日、政府の諮問機関である政府税制調査会が、今後の中長期的な税制の指針となる「中期答申」をまとめました。2019年10月1日から消費税率が10%へと引き上げられる直前という極めて重要なタイミングでの発表です。今回の答申では、消費税が社会保障を支える柱として「役割が一層重要になっている」と強調されました。しかし、多くの国民が関心を寄せる「10%のその先」については、具体的な道筋が示されないまま幕を閉じる形となっています。

実は今回の中期答申は、第2次安倍晋三政権が発足して以来、初めて作成されたものです。通常であれば3年に1度のペースでまとめられるはずの答申がこれほど長期間空くのは、極めて異例の事態と言えるでしょう。本来、委員の任期は2019年6月下旬まででしたが、同年7月の参議院選挙への影響を考慮してか、任期を3カ月延長してまで公表時期を遅らせた経緯があります。こうした政治的配慮が透けて見える点は、SNS上でも「議論を先送りにしているのではないか」と厳しい視線が注がれています。

「令和時代の税制のあり方」と銘打たれた今回の報告書では、急速に進むデジタル化への対応や、深刻な気候変動問題、さらには人生100年時代を見据えた老後の資産形成支援などが盛り込まれました。特に「デジタル課税」という専門用語に注目が集まっています。これは、国境を越えてサービスを展開する巨大IT企業などに対し、物理的な拠点がなくても適切に課税する仕組みを指します。新時代の不公平を是正しようとする姿勢は評価できますが、肝心の消費税については、他の項目に比べて踏み込み不足な印象が否めません。

増え続ける社会保障費と消費税の「10%の壁」

少子高齢化が進む日本において、膨らみ続ける社会保障費をどう賄うかは避けて通れない問題です。2019年9月24日には、経済同友会の桜田謙悟代表幹事が記者会見で「将来的には消費税率を17%まで引き上げる必要がある」との持論を展開し、大きな波紋を呼びました。また、専門家の間では消費へのショックを和らげるため、2%や3%といった大幅な改定ではなく、毎年1%ずつ段階的に引き上げる手法も提案されています。本来、こうした具体的な選択肢こそが税調で議論されるべきでした。

しかし、安倍晋三首相は自身の在任中のさらなる増税を否定しており、参院選前の会見でも「今後10年くらいは上げる必要はない」と明言しています。こうしたトップの意向を忖度するあまり、国の将来に必要な議論に蓋をしてしまうようでは、政府税制調査会の存在意義そのものが問われかねません。私は、政治的な損得勘定を超えて、20年、30年後の現役世代に過度な負担を強いないための「誠実な数字の提示」こそが、今もっとも求められている役割であると考えます。

消費税増税は家計に直結する痛みを伴うものですが、だからこそブラックボックスの中での決定は許されません。SNSでは「10%でも限界なのに、これ以上の議論は耐えられない」という悲鳴に近い声と、「将来の不安を解消するために透明性のある議論をしてほしい」という冷静な意見が入り混じっています。令和という新しい時代を迎えたいま、私たちは単なる増税の是非だけでなく、税金がどのように社会の安心に還元されるのか、そのビジョンを正面から見据える必要があるでしょう。

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