未就学のお子さんを持つお母さんたちにとって、「育児疲れ」は切っても切り離せない深刻な問題でしょう。求人サービスを手がけるキャリアシード(千葉県市川市)が2019年3月に実施した調査結果から、その疲れの真の要因が見えてきました。全国の20代から40代の女性1,007名を対象にしたこの大規模なアンケートによれば、育児による疲労を「どちらかというと精神的な疲れが大きい」と感じている方が実に**65%にも達し、「身体的な疲れ」と回答した35%**を大きく上回る結果となったのです。つまり、現代のお母さんたちが抱える育児の苦労は、肉体的な疲労よりも、目に見えにくい心のストレスが主な原因になっていると言えるでしょう。
こうした調査結果は、SNSでも大きな反響を呼んでいます。「うちも本当にそう」「抱っこで腕は痛いけれど、それ以上に心に余裕がない」といった共感の声や、「精神的な疲れってどう解消すればいいの?」といった切実な悩みが数多く投稿されている模様です。リフレッシュの方法としては、睡眠や外出、食事などが挙げられますが、驚くべきことに、そもそも育児ストレスを**「解消できていない」と答えた方が52%**と、半数以上を占めてしまいました。これは、多くのお母さんが十分な休息や息抜きの機会を得られていないという、非常に厳しい実態を物語っています。
では、その精神的なストレス、心の負担の具体的な原因は何なのでしょうか。最も多かったのは「子どもが言うことを聞かない」というもので、全体の4割を占めています。しかし、それに続く理由として、「自分の時間が持てない」(約3割)、「夫が協力的でない」(約1割)といった回答が寄せられており、注目すべきポイントです。これら二つの要因からは、母親が育児をほとんど一人で担っているという状況が鮮明に浮かび上がってまいります。育児という行為は、子どもの生命と成長を預かる重大な役割ですが、その責任と負担が女性一人に集中しているのが現状だと考えられます。
この育児の負担が女性に偏る傾向は、厚生労働省の調査した男性の育児休業の取得率にも表れています。なんと、男性の育児休業取得率は**6%という低水準にとどまっているのです。キャリアシードの丸山俊介社長は、この取得率の低さについて「出世コースから外されそうといった理由で(育児休業が)浸透していない」と指摘しています。つまり、日本社会の根強く残る企業文化やキャリア観が、男性の育児への参画を阻害し、結果として女性に精神的なストレスが集中する構造を生み出しているのでしょう。育児における精神的負荷(メンタルロード)**の多くを母親が抱え込む現状は、速やかに解消すべき喫緊の課題だと言えるでしょう。
私見として、この問題の解決には、個人のリフレッシュ努力だけでなく、社会全体の意識改革が不可欠だと感じています。特に、男性の育児休業取得が進まない背景には、「育児は女性の仕事」というジェンダーロール(性別に基づく役割)の古い考え方が横たわっています。この見えないプレッシャーこそが、女性たちの「自分の時間が持てない」という心の疲弊に直結しているのではないでしょうか。社会全体で育児を分かち合う環境整備こそが、お母さんたちの精神的負担を軽減し、家庭全体を笑顔にするための鍵となるでしょう。