POSレジの世界シェアでトップクラスを誇る東芝テック株式会社が、2019年10月1日付で実施する重要な人事異動を明らかにしました。今回の組織改編は、特にリテール(小売業向け)事業の海外展開と、国内の営業ネットワークをより強固なものにするという同社の明確な意思が反映されています。グローバル競争が激化する中で、適材適所の配置による経営基盤の強化を狙っているようです。
リテール事業の要となる海外戦略では、高垣圭一郎氏がリテール海外事業推進部の米州事業推進および副事業推進に抜擢されました。これまで経営企画部でグループ全体の舵取りを担ってきた経験を活かし、北米や南米といった巨大市場でのシェア拡大を目指すでしょう。SNS上では「東芝テックの海外シフトがいよいよ本格化するのではないか」といった、将来性を期待する声がビジネス層から上がっています。
国内の営業体制に目を向けると、現場のスペシャリストたちが新たな役職へと配置されています。東京支社の専門店システム第一営業には楠田真一氏が就任し、関西支社や中部支社、九州支社といった各主要拠点でも支店長クラスの交代が行われました。地域密着型の営業スタイルを維持しつつ、最新のシステム導入を加速させる構えです。このように各地のリーダーを入れ替えることで、組織の硬直化を防ぎ、新たな風を吹き込む意図が感じられます。
財務部門では、細野友彦氏が第二財務室長に就任することが決定しました。企業の「血流」とも言える資金管理を司る部署の刷新は、今後の投資戦略において重要な意味を持つに違いありません。また、製造現場を支える「SCM(サプライチェーン・マネジメント)」、すなわち部品調達から製造、販売までを一貫して管理する仕組みの統括センターでも、リテール製造担当として桜井剛氏が任命されています。効率的な生産体制の構築は、メーカーとしての生命線です。
私個人の見解としては、今回の人事異動は単なる交代劇ではなく、東芝テックが「リテール・ソリューションの覇者」としての地位を盤石にするための布石だと考えています。特に米州事業の推進は、Amazon Goのようなレジレス店舗が台頭する現代において、同社がどのような次世代ソリューションを提示できるかの鍵を握るでしょう。2019年9月28日の発表内容からは、守りではなく攻めの姿勢が強く伝わってきます。