クスリのアオキ株が10%急落!2019年6〜8月期決算で見えた「内需株の期待と現実」

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2019年9月27日の東京株式市場において、ドラッグストア中堅のクスリのアオキホールディングス株が激しい売りにさらされました。株価は一時、前日比830円安となる7360円まで沈み込み、下落率は10%に達しています。この急落の引き金となったのは、前日の取引終了後に発表された2019年6月から8月期の連結決算が営業減益に転じたことでした。市場の期待を裏切る形となった今回の結果を受け、機関投資家を中心に失望売りが加速したと考えられます。

当日の終値は7%安の7640円となり、東証1部の値下がり率ランキングで8位に食い込む不名誉な記録を残しました。特筆すべきは売買高が前日の3倍以上に膨れ上がった点であり、いかに多くの投資家がこのニュースに反応したかがうかがえるでしょう。SNS上でも「好調だと思っていたのに意外だ」「内需株だから安心していたのに」といった驚きの声が広がっており、成長株として注目されていた同社への視線が厳しくなっている様子が伝わってきます。

注目の決算内容を見ると、2019年6月21日から2019年8月20日までの営業利益は前年同期比4%減の33億円にとどまりました。営業利益とは、本業の儲けを示す指標ですが、これが証券会社の事前予想を下回ったことが大きな痛手です。減益の背景には、2019年7月の天候不順がありました。気温が上がらなかったことで、制汗剤や殺虫剤といった「季節商品」の売れ行きが鈍化したのです。これらの商品は利益率が高いため、販売不振が利益を直接押し下げました。

さらに、競争激化に伴う値引き販売の強化が採算を悪化させた点も見逃せません。一般的に、ドラッグストアは集客のために食品などの低利益商品を安売りし、利益率の高い医薬品や化粧品で稼ぐビジネスモデルを採っています。しかし、今回は稼ぎ頭となるべき高利益商品が動かず、値引きだけが先行してしまった形と言えるでしょう。8月の既存店売上高が前年比8%増と好調だっただけに、利益が伴わない現状は投資家にとって大きな「ネガティブサプライズ」となりました。

高まる割高感と今後の投資判断

市場関係者からは、今回の急落は「利益確定売り」の絶好の口実になったとの指摘も出ています。米中貿易摩擦などの不透明な海外情勢に左右されにくい「内需株」として、ドラッグストアセクターはこれまで買われすぎていた側面があるからです。特にクスリのアオキの予想PER(株価収益率)は21倍台に達していました。これは、現在の株価が1株あたりの純利益の何倍まで買われているかを示す指標ですが、競合他社と比較しても割高な水準でした。

例えば、業界大手のマツモトキヨシホールディングスのPERが15倍台であることを考えると、アオキの株価には過剰な期待が上乗せされていたと評価せざるを得ません。私個人の見解としては、北陸を地盤に生鮮食品を強化して成長してきた同社の戦略は評価できるものの、天候という不可抗力に業績が左右されやすい脆さが露呈したと感じます。投資家としては、単なる売上高の伸びだけでなく、実質的な利益を稼ぎ出す力が維持されているかを冷静に見極める時期に来ています。

今後の展望については、当面は材料出尽くし感が漂い、株価が反転するには強力な好材料が必要になるでしょう。2019年10月の消費増税を控えた駆け込み需要がどれほど利益に貢献するかが、次の注目ポイントになりそうです。厳しい局面ではありますが、地域密着型の強みを活かした独自のドミナント戦略が再び評価される日が来るのか、市場は静かに推移を見守っています。まずは落ち着いた株価形成を待ち、次の一手を検討するのが賢明な判断ではないでしょうか。

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