御嶽山噴火から5年、木曽路の逆襲!訪日客を魅了する「ねこ」作り体験と高山直行バスの勝機

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2014年の御嶽山噴火から、2019年9月27日でちょうど5年の節目を迎えました。長野県の木曽地域では、災害の記憶を胸に刻みつつも、新たな観光の形を模索する力強い動きが本格化しています。かつての賑わいを取り戻すべく、地域の隠れた宝を活かしたユニークな試みが次々と産声を上げているのです。

特に注目を集めているのが、上松町に伝わる伝統的な防寒着「ねこ」を作るワークショップでしょう。2019年9月21日から11月17日にかけて全5回開催されるこのイベントは、告知開始から間もなく予約が埋まるほどの人気ぶりを見せています。SNS上でも「古民家で手仕事なんて贅沢」「日本の冬の知恵に触れたい」といった期待の声が寄せられました。

ここで紹介する「ねこ」とは、着物を解体した生地に真綿を詰め、背負うようにして着用する防寒具のことです。袖がないため家事の邪魔にならず、背中を優しく温めてくれる先人の知恵が詰まった逸品といえるでしょう。2019年9月21日の初回には、日本のローカル文化に深い関心を寄せる外国人観光客も参加し、一日がかりの裁縫作業に没頭しました。

こうした取り組みは、木曽広域連合が2019年2月に策定した「木曽観光地域づくり戦略2019」に基づいています。これは単なる一過性のイベントではなく、100年先を見据えて地域のアイデンティティを再定義する壮大なプロジェクトです。私は、こうした「消費されない文化体験」こそが、成熟したインバウンド市場において最強の武器になると確信しています。

高山からの新ルート開拓!飛騨と木曽を結ぶ戦略的バス運行

さらに、広域観光の利便性を劇的に向上させる施策も始動します。2019年10月12日から11月17日までの期間限定で、岐阜県の飛騨高山と木曽路をダイレクトに結ぶ直行バスが初めて運行されることになりました。片道2500円という手頃な価格設定で、予約優先ながら空席があれば当日乗車も可能という柔軟さが魅力です。

このバスの狙いは、年間55万人もの外国人宿泊客を抱える高山市からの「観光客の誘致」に他なりません。高山を訪れる多くの訪日客にとって、中山道の宿場町が残る木曽路は非常に親和性が高いエリアです。独自の英文パンフレットも用意されており、これまでの点での観光から、線で結ぶ周遊観光への転換が期待されています。

木曽地域では他にも、森林浴や乗馬を通じて心身を整える「ヘルスツーリズム」のモニターツアーが実施されるなど、攻めの姿勢が際立っています。冬には「氷のステンドグラス」作りといった幻想的な体験も検討されており、噴火災害の影を振り払うような明るいニュースが、地域の方々の努力によって着実に増えています。

災害からの復興には長い年月を要しますが、木曽の人々が守ってきた「手仕事」や「風景」には、世界を惹きつける普遍的な価値があります。戦略的な交通網の整備と、地域独自の文化体験が噛み合った今、木曽路はかつてない新しい観光の黄金期を迎えようとしているのではないでしょうか。これからの展開に、編集部としても目が離せません。

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