グローバル化の波が押し寄せる日本において、未来を担う子どもたちの教育現場で看過できない深刻な実態が浮き彫りとなりました。文部科学省は2019年09月27日、日本に在住する外国籍の子どもの就学状況に関する初めての全国調査結果を公表したのです。この調査によれば、義務教育世代にあたる12万4049人の外国籍児のうち、実に15.8%に相当する1万9654人が学校に通っていない「不就学」の状態にある可能性が判明しました。
SNS上ではこのニュースに対し、「日本で育つ子どもたちが教育から取り残されるのは悲しい」「言葉の壁だけでなく制度の隙間があるのではないか」といった不安や疑問の声が次々と上がっています。今回の調査は2019年05月時点の状況を市区町村の教育委員会が報告したものですが、住民基本台帳に登録されていながら、自治体が状況を把握すらしていないケースが約1万人近く存在するという事実は、社会全体で真剣に受け止めるべき課題だと言えるでしょう。
地域格差と「不就学」が生む社会的な孤立の懸念
不就学の可能性がある子どもの数を都道府県別に見ると、東京都が7898人と圧倒的に多く、次いで神奈川県の2288人、愛知県の1846人と続いています。ここで言う「不就学」とは、日本の国公私立校や外国人学校のいずれにも在籍が確認できない状態を指します。本来、日本において外国籍の子どもには就学義務が課せられていませんが、国際人権規約の観点から希望すれば公立校への入学は認められており、この権利が十分に周知されていない現状が見て取れます。
驚くべきことに、外国籍の子どもが居住する自治体の約3分の1が、小学校入学前に必要な就学案内すら送付していなかったことが明らかになりました。案内が届かなければ、保護者が日本の教育システムを理解し、子どもを学校へ通わせる一歩を踏み出すのは非常に困難です。教育は子どもたちが社会とつながるための命綱であり、行政による積極的なアウトリーチ(支援が必要な人への働きかけ)が、今まさに強く求められているのではないでしょうか。
言葉の壁を越える挑戦!横浜市の先進事例「ひまわり」の希望
こうした課題に対し、現場では懸命な模索が始まっています。横浜市では2017年09月に、来日直後の子どもたちがスムーズに学校生活へ馴染めるよう支援する拠点「ひまわり」を開設しました。ここでは専門の指導者が、自分の気持ちや体調を言葉にできるレベルまで日本語教育をサポートしています。日本語教育の指導者は全国で4252人存在しますが、その多くがボランティアや非常勤であり、専門的な支援体制をいかに安定させるかが今後の鍵となります。
私は、外国籍の子どもたちが日本の教育から疎外されることは、単なる個人の問題ではなく、日本社会全体の「多様性への包容力」が試されているのだと考えます。彼らが言語や文化の壁を乗り越え、母国と日本の架け橋となる存在へと成長するためには、学校側も多文化教育を通じて「仲間づくり」を後押しする姿勢が不可欠です。教育の機会を等しく保障することこそが、分断のない共生社会を築くための第一歩になるはずだと確信しています。