2019年6月16日に茨城県のスターツ笠間ゴルフ倶楽部(6959ヤード、パー72)で行われた「スターツシニアゴルフトーナメント」は、まさに劇的な幕切れとなりました。ゴルフファンを熱狂させたのは、ベテランの倉本昌弘選手(63歳)です。首位と5打差の6位タイからスタートした最終日に、トーナメントベストスコアとなる「64」という驚異的なチャージを見せました。この猛烈な追い上げにより、倉本選手は通算11アンダーの205ストロークで、優勝を争っていた谷口徹選手と首位に並び、勝負はプレーオフにもつれ込んだのです。
プレーオフでは、1ホール目で見事バーディーを奪取し、谷口選手を打ち破るという最高の形で決着をつけられました。この優勝は倉本選手にとって、シニアツアー通算8勝目であり、なんと3年ぶりとなる待望のタイトル獲得です。その勝負強さには、長年のキャリアに裏打ちされた円熟の技と、ここぞという場面での集中力が凝縮されていたと言えるでしょう。この優勝により、賞金1400万円を獲得し、その存在感を改めて示しました。
一方、熾烈な優勝争いを演じた谷口徹選手は、昨夏の日本シニアオープンに続き、今回も惜しくも2位という結果になりました。シニア転向後2戦目ながら優勝にあと一歩というところまで迫る実力はさすがですが、今回は倉本選手の爆発力に軍配が上がったかたちです。SNS上では「倉本プロの粘り強さがすごい」「ベテランの意地を見た」「シニアツアー、こんなにアツいのか!」といった声が飛び交い、ゴルファーだけでなく多くのスポーツファンがその熱戦に魅了された様子が伺えます。
また、大会3連覇を目指していた前年覇者のプラヤド・マークセン選手(タイ)も注目を集めました。2日間にわたり首位をキープする強さを見せつけましたが、最終日にスコアを伸ばしきれず、盧建順選手(台湾)と並び通算10アンダーの3位タイでフィニッシュとなりました。最終日のスコア「70」は、マークセン選手にとって満足のいく結果ではなかったでしょう。しかし、彼らのゴルフに対する真摯な姿勢と、ハイレベルな技術が拮抗する展開は、ギャラリーに大きな感動を与えてくれました。
この結果から、シニアツアーは「ベテラン」という言葉では片付けられない、高い競技性と予測不能なドラマに満ちていることが改めて証明されました。ゴルフにおける「パー」とは、各ホールで設定された規定打数のことを指しますが、プロの選手たちはこのパーを基準として、いかに打数を減らすかという挑戦を続けています。この試合の最終日、倉本選手が見せたスコア「64」は、パー72のコースで8打も少ない打数で回ったことになり、その卓越した技術と精神力は、我々メディア編集者としても最大限に称賛すべきです。
私見ではありますが、シニアツアーの魅力は、現役時代から培ってきた熟練の技と、年齢を重ねても衰えない勝利への執念がぶつかり合う点にあると考えます。倉本選手の経験値と谷口選手の勢いが交錯した今回のプレーオフは、まさにシニアツアーの醍醐味を凝縮した瞬間でした。今後も、ベテランたちが繰り広げる白熱の戦いから目が離せないでしょう。2019年6月16日のスターツシニアは、多くの人々の記憶に残る名勝負として語り継がれていくに違いありません。