2019年6月17日、東京オリンピックへの切符をかけたレスリングの全日本選抜選手権大会で、リオデジャネイロ五輪女子48kg級金メダリストの登坂絵莉選手が、予期せぬ大きな試練に直面しました。彼女の東京五輪出場への道が、極めて厳しくなってしまったのです。注目された試合で、登坂選手は世界選手権2連覇中の若き実力者、須崎優衣選手に対し、前半のうちに「テクニカルフォール」という圧倒的な差で敗北を喫してしまいました。これはレスリングにおいて、ポイント差が10点以上開いた時点で勝敗が決まるコールドゲームのようなもので、女王にとっては非常に衝撃的な結果だと言えるでしょう。
この敗戦により、登坂選手が2019年の世界選手権大会の代表になる可能性は消滅しました。世界選手権はオリンピックの出場枠獲得にも関わる重要な大会であり、この結果は彼女にとって、東京五輪への夢が事実上遠のいたことを意味しています。試合後の登坂選手は「これが現実」と悔し涙を流され、その胸の内には計り知れない思いが去来している様子でした。しかし、彼女は「人生で一番つらい3年間で、やめたいと思うことばかりだったけど、たくさんの人に応援されてここまでこられた」と、どこか悟りを開いたような言葉を残しており、これまでの苦難に満ちた道のりを物語っているように感じられます。
この大会の結果を受けて、SNS上では登坂選手への温かい反響が多数寄せられています。「本当に辛い3年間だったでしょうね、でも諦めないでほしい」「彼女の頑張りを知っているからこそ涙が出る」「感動をありがとう」など、彼女のこれまでの努力や、苦しみながらも戦い続けた姿勢を称賛し、労う声が溢れていました。この結果は非常に残念ですが、多くの人々が登坂選手の戦う姿に心を動かされたことは間違いありません。スポーツの世界では、絶対的な女王であっても、若手選手の台頭や自身の怪我など、様々な要因で壁にぶつかることがあります。これは登坂選手にとって、まさにその瞬間だったと言えるでしょう。
今後の五輪代表への道筋は、須崎選手と、昨年の全日本選手権を制した入江ゆき選手(自衛隊)との間で実施されるプレーオフの勝者が、2019年9月の世界選手権でメダルを獲得した時点で、登坂選手の東京五輪出場は事実上断たれることになります。彼女がリオで金メダルを獲得して以来、満身創痍の中で、東京を目指し続ける姿は多くのファンに勇気を与えてきました。今回の結果は非常に重いものですが、登坂選手がこれまでの経験を糧に、今後どのような選択をし、またどんな形で私たちに感動を与えてくれるのか、注目していきたいと考えています。