私たちの生活に欠かせないプラスチックですが、今まさにその在り方が大きな転換期を迎えています。プラスチック循環利用協会の報告によると、2017年時点における日本国内の廃プラスチックのリサイクル率は、実に86%という高い水準に達しました。この驚異的な数字を支えているのは、日本の化学産業が長年培ってきた「底力」に他なりません。世界的に環境意識が高まる中で、この実績は日本が誇るべきリサイクル大国としての証と言えるでしょう。
リサイクルの内訳を詳しく見てみると、最も大きな割合を占めているのが「サーマル・リサイクル」と呼ばれる手法です。これは廃プラスチックを単純に廃棄するのではなく、固形燃料などとして燃焼させ、その際に発生する熱エネルギーを回収して利用することを指します。この手法が全体の58%を占めており、日本のエネルギー活用の一翼を担っています。しかし、資源を物質として再び製品に生まれ変わらせる「マテリアル・リサイクル」も、23%という確かな存在感を示しています。
驚異の再生技術!ペットボトルから食品トレーへ繋ぐ「エフピコ」の挑戦
このマテリアル・リサイクルにおいて、ひときわ異彩を放つ企業が食品トレー最大手のエフピコです。同社の関東エコペット工場(茨城県八千代町)は、回収されたペットボトルを単に原料へ戻すだけでなく、そのまま食品トレーとして製品化まで一貫して行う極めて稀な拠点として注目を集めています。工場に運び込まれた圧縮済みの廃プラスチックが、最新鋭の機械によって鮮やかに選別されていく光景は、まさに日本の製造業の真骨頂と言っても過言ではありません。
具体的な工程としては、まず風圧やふるいを利用してボトル本体からラベルやキャップを徹底的に引き離し、細かく粉砕します。バラバラになった破片は、熱水や強力なアルカリ洗剤を用いた洗浄を経て、100度を超える高温の真空タンクへ投入されるのです。ここで不純物を極限まで取り除くことで、食品衛生上も極めて安全な再生ペット素材が誕生します。この高度な洗浄・精製技術こそが、消費者が安心して使える「再生トレー」の品質を支えているのでしょう。
特筆すべきは、この取り組みが環境負荷の低減に直結している点です。原油から新しい食品トレーを製造する場合と比較して、再生原料を使用するプロセスでは多くの工程を省略できるため、二酸化炭素(CO2)の排出量を30%も削減することが可能になります。エフピコグループ全体では、年間で約5万トン、本数にして約17億本ものペットボトルを再生しており、環境保全と経済活動を両立させるサーキュラーエコノミーの理想的なモデルを提示しています。
SNS上でも「自分が捨てたボトルがトレーとして戻ってくるのは実感が湧く」「企業のこうした努力をもっと知るべきだ」といったポジティブな反応が広がっています。私個人の意見としても、消費者が「捨てる」という行為を「資源を繋ぐ」という意識に変えるためには、こうした企業の透明性ある取り組みが不可欠だと確信しています。2019年09月30日現在のこの革新的な歩みは、日本のプラスチック問題解決に向けた大きな希望の光となるに違いありません。