日本のものづくりを支える大手非鉄金属メーカー、三菱マテリアル株式会社が、2019年6月17日、ヨーロッパにおける重要な戦略拠点として、ドイツ南西部にあるシュツットガルトに新たな技術支援施設「シュツットガルトテクニカルセンター」を開設いたしました。この新拠点は、同社の主要製品である切削工具(せっさくこうぐ)に関する技術的なサポートを顧客企業へ直接提供するためのものでございます。切削工具とは、金属などの素材を削ったり、穴を開けたりして加工する際に使用される刃物やドリルなどの道具のことです。この工具の性能が、製品の品質や生産効率を大きく左右すると言えるでしょう。
新たなテクニカルセンターは、お客様が抱える具体的な加工のニーズに応じた最適な工具を選定するため、実際に切削の試験を行ったり、工具の正しい使用方法を教育・研修する場として機能します。現地には12名のエンジニアやスタッフが配置され、お客様からの加工に関する高度な要望に対し、それを満たすための専用工具の開発にも積極的に対応していく方針です。これにより、単なる製品の販売に留まらず、加工技術そのものをソリューションとして提供する体制が強化されます。
ドイツ国内では、これまで中西部のデュッセルドルフ近郊に販売拠点を構えていましたが、このたびシュツットガルトに進出したことには大きな意味があります。シュツットガルト地域は、世界的に有名な自動車メーカーや航空機、そしてそれらの関連部品を製造する工場が数多く集積している、まさにヨーロッパの製造業の中心地だからです。この立地選定は、今後の顧客企業の増加を見込み、より迅速かつ密度の高い技術支援を実現するための極めて戦略的な一手だと考えられます。
海外における同様の技術支援拠点は、既に開設されているアメリカ、中国、タイ、スペインに続き、これで5カ所目となります。シュツットガルトに新設された施設は2階建ての建屋を使用しており、1階部分には高性能な加工機械や精密な測定器が設置され、実地での試験や検証が行える環境を完備しています。また2階にはセミナー室などが設けられ、顧客企業への教育プログラムや技術交流の場として活用される見込みです。
このニュースに対し、SNS上では「日本の技術が世界に進出するのは誇らしい!」「これでヨーロッパの製造業がもっと効率化されそう」「シュツットガルトに進出とは、攻めの姿勢が素晴らしい」といった好意的な反響が見られました。製造業がグローバルな競争に晒される現代において、製品の品質だけでなく、アフターサポートとしての技術支援体制の充実こそが、企業価値を高める重要な要素となります。三菱マテリアルが、世界の自動車産業と航空機産業の心臓部で、日本の高い切削技術を提供し、現地のものづくりに貢献していくことは、日本の産業界全体にとっても非常に明るいニュースであると私は考えます。