プラスチック成形加工の分野で世界的な存在感を示す三光合成が、欧州市場での供給体制を盤石なものとするため、新たな一手に出ました。同社は、チェコ共和国のコリン市に自動車向けプラスチック部品を生産する子会社を2019年8月に設立する計画を発表しています。この動きは、来るべき欧州の大きな変化を先読みした、非常に戦略的な一歩と言えるでしょう。
新拠点は、2021年春の稼働開始を目指して、コリン市内に工場が建設される予定です。三光合成は既にイギリスに製造拠点を有していますが、今回のチェコ進出の背景には、イギリスの欧州連合(EU)離脱、いわゆる**「ブレグジット」**が深く関わっています。ブレグジットは、イギリスとEU間の貿易や物流に大きな不確実性をもたらす懸念があり、これを受けて、多くの自動車メーカーが生産拠点を大陸側のEU諸国へ移す動きを見せているのです。
まさにこの「生産シフト」の動きに対し、三光合成は「先手を打って供給体制を整える」と担当者が語るように、迅速な対応を見せています。新たな子会社の資本金は約3億7,700万円を予定しており、これは日系自動車メーカーだけでなく、欧州の自動車メーカーの需要をも積極的に開拓したいという、強い意志の表れであると拝察します。チェコは地理的にも欧州大陸の中心に近く、ドイツなど自動車産業が盛んな国々へのアクセスが良い点も、魅力的な要因になっているのでしょう。
この三光合成の発表に対し、SNS上では「ブレグジットへの対応として賢明な判断だ」「日系サプライヤーの欧州シフトが本格化しそう」といった、先見の明を評価する声が多く見受けられました。自動車産業は、サプライチェーン(部品供給網)の最適化が命です。生産拠点移転の動きを察知し、いち早く大陸側に供給拠点を設けることは、顧客である自動車メーカーにとって非常に心強い「リスクヘッジ」となり、結果として取引の拡大につながることが期待されます。
私見として、このタイミングでのチェコ進出は、グローバル企業としてのあるべき姿を示していると強く感じます。政治的な変動に対し、ただ傍観するのではなく、ビジネスチャンスと捉えて迅速に行動する。この積極的な姿勢こそが、三光合成が世界的な競争を勝ち抜くための重要な鍵となるのではないでしょうか。2021年春の稼働開始が、同社の欧州戦略における新たな時代の幕開けとなることは間違いないでしょう。