2019年6月17日の発表によると、電子部品メーカーのアルプス電気とカーナビゲーションなどを手掛けるアルパインが統合して誕生した「アルプスアルパイン」が、同年6月21日付で重要な人事異動を決定しました。この異動は、2社の強みを融合させ、企業価値を最大限に高める「統合シナジー」の創出を加速させるための布石と言えるでしょう。特に、トップマネジメント層での役割分担を明確にすることで、新会社としての方向性を強く打ち出していくことが予想されます。
新体制では、栗山年弘氏が代表取締役兼社長執行役員として引き続き最高経営責任者(CEO)を務め、同時に旧アルプス側のカンパニー長(ALC長)を兼任なさいます。一方、旧アルパイン側のカンパニー長(APC長)を務める米谷信彦氏は、代表取締役兼副社長執行役員として「統合シナジー担当」を担うことになりました。この米谷氏の役職新設は、新会社が単なる合併に留まらず、真の統合効果、すなわち組織間の相乗効果を追求する強い意志を示すものとして注目すべき点ではないでしょうか。SNSでも「いよいよ本格的な統合フェーズだ」「今後のアルプスアルパインの進化が楽しみ」といった期待の声が多く見受けられます。
取締役の人事にも注目が集まります。常務執行役員の笹尾泰夫氏は、これまでの「新コンポーネント事業担当」から「ALC新事業担当」へと役割を変更し、技術本部長も兼務されることになりました。これは、旧アルプスが得意とする電子部品やコンポーネント分野における新たなビジネスの創出に、技術面から強力にドライブをかける狙いがあると考えられます。また、生産体制の強化では、常務執行役員の河原田陽司氏が「APC生産担当」に加え「ALC第1資材本部長」を兼務し、さらに佐伯哲博氏が「生産担当兼ALC生産本部長兼コンポーネント生産担当」に就任。これは、統合後の生産・資材部門において、両社のノウハウを共有し、効率的で強靭なサプライチェーンを構築しようとする姿勢の表れでしょう。
さらに、各部門のキーパーソンとなる執行役員も新たな役割を担います。例えば、石橋浩司氏は「APCディスプレイ&サウンド事業担当」と「技術本部副本部長」を兼任し、車載インフォテイメント分野の技術的な進化を推進されます。インフォテイメントとは、車内で情報(インフォメーション)と娯楽(エンターテイメント)を提供するシステムや機能の総称であり、カーナビやオーディオ、コネクテッドサービスなどが含まれます。この分野は、自動車の電動化、自動運転化が進む中で、極めて重要な成長ドライバーになっていくでしょう。私の見解では、今回の多岐にわたる重要な人事配置は、アルプスアルパインが**「車載」「コンポーネント」「新事業」という3つの柱**を明確にし、それぞれの分野で攻めの経営を仕掛けていくという決意の表れであると捉えることができるでしょう。