✅ 世界のビジネス動向を徹底解説!賃貸保護、EV補助金、EC課税…激変する国際市場の最前線

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2019年6月17日のジェトロビジネス短信から、世界各地で施行・決定された重要な経済動向を編集部の視点を交えて分かりやすくお伝えします。今回の動きは、私たちの生活やビジネスのあり方に直結するテーマばかりです。この時期、各国の政策は環境、消費者の権利保護、新技術の導入支援といった、未来に向けた明確な方向性を示していると言えるでしょう。

特にイギリスのイングランドでは、「テナント手数料法」という賃借人を強力に保護する新しい法律が施行されました。これは、2019年6月以降に新規で結ばれる居住用物件の賃貸借契約が対象となり、賃貸人や不動産仲介業者が、これまで慣習的にさまざまな名目で徴収してきた手数料や敷金(保証金やデポジットと呼ばれるもの)から、借り手を守ることを目的としています。具体的には、賃貸人が借り手に対して第三者への支払いを要求することが禁止され、さらに敷金についても上限が設けられたのです。この改革は、住宅市場における消費者保護を一段と強化するもので、SNSでは「初期費用の負担が軽くなる」「透明性が高まる」といった家計への恩恵を歓迎する声が多く見受けられました。

🇬🇧 イギリスの「テナント手数料法」と🇩🇪 ドイツの「EV購入補助金」の延長

イギリスの賃貸市場の動きに続き、環境意識の高いドイツでは、電気自動車(EV)などの低排出ガス車の導入を促進するための新車購入補助金が、2020年末まで継続されることが決定しました。ドイツ経済エネルギー省は、この補助金によって低排出ガス車の普及はある程度進んでいるものの、目標達成にはまだ十分ではないとの認識を示し、当初2019年6月で終了する予定だった支援策を延長することにしたのです。補助額は変更なく、化石燃料を一切使わない純EVや燃料電池車には4,000ユーロ、プラグインハイブリッド車(PHV)や走行1キロメートルあたりの二酸化炭素(CO2)排出量が50グラム未満の車両には3,000ユーロが支給されます。自動車大国ドイツが、こうした手厚い補助を続けることは、自動車産業の未来が完全にEVシフトに向かっていることの強力な証左でしょう。

一方で、アジアの金融ハブであるシンガポールでは、公共交通機関の利便性が飛躍的に向上しています。地下鉄(MRT)やバスに乗車する際の運賃支払いに、クレジットカードなどの電子決済手段の選択肢が広がっているのです。2019年4月に、非接触型決済機能を持つアメリカのマスターカードのデビット・クレジットカードからサービスが開始された**「シンプリー・ゴー」システムは、6月にはVISAカードにも対象が拡大されました。これにより、旅行者や居住者が、わざわざ交通系ICカードを購入したりチャージしたりする手間が省け、都市の利便性が大きく向上することが期待されます。キャッシュレス化を推進するシンガポールの先進性がよく表れている動きではないでしょうか。

🇹🇭 タイへの日本産農産物輸出と🇲🇽 メキシコのフィンテック市場

日本企業にとって重要な輸出市場であるタイにおいては、日本産青果物に対する新たな植物検疫条件が、2019年3月27日、31日、そして5月10日と段階的に発動しています。近年、タイにおける日本産青果物の人気は非常に高まり、輸出金額も増加の一途を辿っているものの、品質と安全性を確保するための規制が厳格化された形です。具体的には、りんご、いちご、日本なし、ぶどう、桃、さくらんぼ、柿、キウイ、なすといった品目について、生産園地や選別・梱包施設の登録が義務付けられ、登録された場所からのみ輸出が許可されることになりました。これは、日本産農産物のブランド価値をさらに高め、安心して消費者に届けるための体制整備であり、多少の手間は増えるものの、長期的には日本食ブームの追い風となるに違いありません。

また、中南米の金融市場をリードするメキシコでは、フィンテック(FinanceとTechnologyを組み合わせた造語で、ITを活用した革新的な金融サービスのこと)のスタートアップ企業の成長にわずかな減速が見られます。業界団体の報告によると、スタートアップ企業数は前年8月から60社増の394社に達しましたが、伸び率はやや鈍化しているのです。これは、メキシコ政府が施行したフィンテック法の規制が影響を及ぼしている可能性が指摘されています。事業分野別に見ると、企業や個人への融資サービスであるレンディングが81社と最も多くなり、これまで最大だった決済・送金を上回りました。企業財務管理、保険、デジタルバンキングなどの分野は大きく伸びている一方で、不特定多数から資金を調達するクラウドファンディングは減少しており、規制導入後の市場の淘汰と成熟が始まっているように見受けられます。

🇹🇷 トルコにおけるEC課税の強化と今後の見通し

最後に、トルコ政府が発表した電子商取引(EC)に関する重要な政策変更です。2019年5月30日から、海外からの郵便パッケージのうち、低価格帯のものに適用されていた関税の免税措置が廃止され、最大20%の課税が実施されることになりました。具体的には、海外からの郵便パッケージの価値が1,500ユーロ以下で、個人使用目的の製品輸入に際して、欧州連合(EU)からの場合は18%、EU以外の国からの場合は20%の関税が課されます。さらに、対象製品がトルコ国内で特別消費税**の対象となる場合には、さらに20%が上乗せされるという厳格な内容です。ただし、書籍などの出版物については税率が0%とされています。この措置は、自国の産業を保護し、税収を確保したいというトルコ政府の強い意向の表れであり、越境ECを利用する消費者にとってはコスト増となる一方、国内産業には追い風となるでしょう。

今回の記事から見えてくるのは、各国が自国の経済や国民生活を守るために、積極的にルールを変更し、未来への投資を行っているという事実です。賃貸保護、環境技術への補助、貿易条件の整備、そして課税ルールの見直しなど、これらの政策変更はすべて、グローバル経済の中で国益を最大化するための賢明な一手であると考えられます。私たちビジネスパーソンは、これらの国際的な動向を迅速に把握し、自社の戦略に活かしていく必要があるでしょう。

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