今、北海道の観光を牽引する札幌市が、観光客の増加に伴うインフラ整備の財源を確保するため、宿泊税の導入を本格的に検討し始めたことが大きな話題となっています。年々増え続ける観光客を受け入れるための体制強化、特にWi-Fi(ワイファイ)環境の整備といった観光インフラの拡充は、道都にとって喫緊の課題といえるでしょう。しかし、社会保障費の増大などで財政が厳しさを増す中、新たな財源の確保は避けられない状況なのです。
札幌市が検討する宿泊税は、ホテルや旅館などの宿泊施設の利用客から徴収する地方税のことを指します。これは、国内外からの訪問客がより快適に、より安全に札幌滞在を楽しめるようにするための資金源となる予定です。具体的な税額や導入時期については、2019年6月17日現在、まだ正式には決定していませんが、市は導入済みの東京都や大阪府、そして福岡市と福岡県が二重課税を実施している事例などを詳細に調査し、宿泊事業者へのヒアリングを進めている段階です。
この札幌市の動きに対し、SNS上では「観光客が増えるのは良いが、受け入れ体制が追いついていないのは事実」「インフラ整備に充てられるなら納得できる」といった賛成意見が見られる一方で、「観光客の負担が増え、宿泊施設は事務作業が増える」といった懸念の声も上がっています。特に注目すべきは、北海道自体も独自に宿泊税の課税を検討している点です。鈴木直道知事も「一定の検討を進めていくべきだ」との考えを示しており、観光振興には新しい財源が必要不可欠であるという認識で一致しています。
北海道と札幌市の「二重課税」問題の行方
ここで大きな論点となるのが、北海道と札幌市がそれぞれ課税に踏み切った場合の二重課税の可能性です。これは、同一の宿泊行為に対して、道と市の両方から税金が徴収される状態を指し、宿泊客にとっての負担感が増してしまうことが懸念されます。鈴木知事は、この二重課税の課題について、宿泊者の負担感や宿泊施設の業務増加といった課題を共有し、意見交換を通じて方向性を整理する必要性を指摘しています。
私の意見としては、増加するインバウンド(訪日外国人観光客)需要を捉え、持続可能な観光を実現するためには、新たな財源の確保は非常に理にかなった施策だと考えます。しかし、二重課税による観光客の**「負担感」増大は、「観光立国」を目指す日本の取り組みにとって逆風となりかねません。そのため、札幌市と北海道の間で、徴収を一元化するか、あるいは税収の配分方法を明確にするなど、宿泊客の利便性と負担軽減に配慮した調整が強く求められるでしょう。
実際、道内では倶知安町が2019年11月から宿泊税の徴収を開始するなど、宿泊税導入の動きはすでに始まっています。札幌市と北海道がどのように連携を取り、観光振興と財政健全化**を両立させるのか。今後の進展から目が離せません。