非言語コミュニケーションで商談を有利に!営業のプロが実践する「笑顔」と「目線」の秘訣

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

商談の成否は、話す内容だけでなく、言葉にならない「非言語コミュニケーション」に大きく左右されることをご存じでしょうか。国際パフォーマンス研究所代表で、パフォーマンス学の権威である佐藤綾子教授は、表情やしぐさといった非言語のサインに、相手の**「本音」が隠されていると指摘しています。情報技術(IT)が進化しても、対面でのやり取りが失われることはなく、これらの非言語スキルはビジネスの場でますます重要になっているのです。

第一印象はわずか1~2秒で決まってしまうという研究結果があり、特に「表情」が相手の印象を左右する要素の約60%を占めるといわれています。初対面で「話しやすい相手」という好印象を与える最も簡単な方法は、「アイコンタクトを交えた笑顔」なのです。日本IBMのプロジェクトマネージャーである鬼束孝則さんは、このスキルを習得したことで、商談がより早く本題にたどり着けるようになり、顧客から交渉窓口として指名される機会が増えた結果、社内での評価も向上したとお話しされています。

魅力的な笑顔を作るには、口角の位置が重要で、唇の中心ラインから2ミリほど引き上げるのがポイントとされています。具体的なトレーニング方法としては、割り箸を口にくわえたまま、口角を引き上げたり戻したりする運動を、30秒ずつ5セット繰り返すと効果的だそうです。また、アイコンタクトの際は、目を大きく見開くことで相手への関心の高さをアピールできます。ただし、相手を見つめ続けると威圧感を与えてしまう可能性があるため、両目の目尻と鼻を結んだ逆三角形の内側を見るように意識すると良いでしょう。

さらに、相手の好感度を引き上げるには、しぐさや話し方を自然に真似る「ミミクリ」**という手法も有効です。これは、子どもが母親の真似をするように、好意や尊敬の対象を無意識になぞる心理学的な現象を応用したものです。相手がうなずいた後、自分も時間差をつけてうなずき返すことで、相手に心地良さを感じさせることができ、スムーズな関係構築につながります。ただし、反射的に真似るのではなく、少し時間をおいて行うのがポイントだと佐藤教授は助言されています。

北星学園大学学長で社会心理学者の大坊郁夫さんは、しぐさや表情は、単独で使うよりも、いくつか組み合わせてみたり、会話の流れに合わせて意図的に変化をつけたりすると、効果が高まると提言しています。例えば、最初から頻繁にうなずいていると、それが「普段の癖」だと思われてしまい効果が薄れますが、話が盛り上がってきたタイミングでアイコンタクトや身ぶり手ぶりを増やすなど、自然な振る舞いを心がけることで、相手に特別なメッセージを伝えることができるでしょう。

相手に安心感を与える「ペース」の調整術

相手との信頼関係を築くもう一つの強力なテクニックとして、パーソナルスタイリスト協会の代表理事である五十嵐かほるさんが推奨するのが、会話のスピードを相手に合わせる**「ぺーシング」です。営業担当者はつい自分のペースで話を進めてしまいがちですが、息継ぎのタイミングなどを相手に同調させていくと、驚くことに心拍数までが合致し始め、相手に大きな安心感を与えることにつながります。日本語は、少しゆっくりと話すことで、より説得力が増すという側面もあるようです。

商談を成功に導くためには、相手の本心、つまり「隠れた本音」を見抜く洞察力も欠かせません。佐藤教授は、相手が発した言葉と表情の間にズレがある場合や、顔の上半分と下半分で表情が一致していない場合、そして表情が顔の上下で時間差をもって作られている場合の3パターンに注目すべきだと述べています。「前向きに検討します」と口元は笑っていても、目が笑っていないときなどは、注意が必要なサインかもしれません。

これらの非言語コミュニケーションスキルは、単なる小手先のテクニックではなく、相手への「配慮」と「理解」**を示すための重要な手段だと筆者は考えます。表情やしぐさといった目に見えない情報から相手の本音を読み解き、信頼関係を構築する能力は、現代のビジネスパーソンにとって不可欠な武器となるでしょう。2019年6月18日の記事が制作された時点では、既に多くの企業や団体がこれらのスキル研修を取り入れており、実践者が商談の場で確かな成果を上げていることが伺えます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*