JDI再建の行方: 台中連合離脱で800億円調達は?新社長が株主総会で語った財務基盤安定化への決意

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経営再建を急ぐジャパンディスプレイ(JDI)が、2019年6月18日に都内で定時株主総会を開催いたしました。この総会は、最大800億円の金融支援を予定していた台中3社連合の枠組みが崩壊に瀕している最中での開催となり、多くの株主が不安の声を上げる状況でした。特に、支援企業の一角である台湾電子部品メーカーの宸鴻光電科技(TPK)が前日17日に離脱を発表し、さらに台湾金融大手の富邦グループも離脱する可能性が高まっており、金融支援計画はまさに混迷の極みに達していると言えるでしょう。

総会で10月に社長に就任予定の菊岡稔・常務執行役員は、まず冒頭、「株主に心配をかけており申し訳ない」と深く陳謝いたしました。この状況に対し、SNSでは「またJDIか…」「本当に大丈夫なの?」といった懸念の声が多く見られ、市場や投資家の間で不安が広がっていることが伺えます。JDIは、スマートフォンなどに用いられる中小型ディスプレイにおいて高い技術力を持つ企業であるため、その行方を注視しているユーザーは非常に多いのです。

菊岡氏は、台中連合の離脱によって生じた支援の「穴」を埋めるため、他の投資家などと積極的に交渉を進めていることを明らかにいたしました。そして、「800億円はきちんとした形で調達できるよう交渉している」と力強く説明し、何としても当初の支援額を確保するという強い意思を示されたのです。この発言は、何としてでも財務基盤を安定させ、現状の経営状況への懸念を払拭し、「心配されない会社」へと立て直すという新体制の決意を表明するものでしょう。

JDIは、長年にわたり最終赤字が続いており、2019年3月期にはなんと5期連続の赤字を計上してしまいました。最終赤字とは、企業が事業活動で得た収益から、すべての費用や税金などを差し引いた最終的な利益がマイナスになることを指します。つまり、企業が抱える損失の規模を示す非常に重要な指標なのです。この深刻な財務状況を立て直すため、同社は同年4月に台中3社連合からの支援受け入れを発表しましたが、ご覧の通り、その最終的な枠組みはまだ定まっていません。私は、この極めて困難な状況下で、新社長候補が示した「800億円調達へのコミットメント」は、現状を打開するための第一歩として非常に重要だと考えます。

株主総会では、取締役選任などのすべての議案が賛成多数で可決されました。しかし、株主の皆さまの懸念は金融支援の確実な実行と、その後の具体的な再建計画に集まっていることは間違いありません。高精細な画像を表示できる液晶ディスプレイ技術に強みを持つJDIの再建は、日本の中小型ディスプレイ産業全体の将来にも関わる重要なテーマです。菊岡氏が言う通り、まずは早急に「財務基盤」を安定させ、その上で、技術力という「光」をどのように事業の「実利」へと変えていくのか、今後の具体的な戦略発表に大いに期待したいと思います。

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