2019年6月18日、米国の医療保険サービス業界に大きなニュースが飛び込んできました。サンフランシスコに拠点を置くコレクティブヘルス(Collective Health)が、ソフトバンクグループ傘下の巨大ファンド主導で、なんと2億500万ドル(日本円で約220億円)もの大規模な資金調達を実施すると発表したのです。この出資は、医療とテクノロジーを融合させたデジタルヘルスの分野において、新たな市場を開拓し、業界構造を大きく変えるきっかけになるでしょう。
出資を主導したのは、世界中の革新的なテクノロジー企業へ投資することで知られるソフトバンク・ビジョン・ファンドです。このファンドは、今回の出資を通じて、コレクティブヘルスが展開する「保険会社を介さない、デジタルを駆使した効率的な保険運営」を強力にバックアップする方針です。従来の複雑な医療保険の仕組みに風穴を開け、デジタライゼーション、つまりあらゆる情報をデジタル化して活用することで、よりスムーズでコスト効率の高いサービスを確立する狙いがあると考えられます。
コレクティブヘルスは、2013年に設立されたスタートアップ企業でありながら、既に米国で45社もの法人顧客を持つ急成長中の企業です。彼らが提供するのは、自社で独自の医療保険を運営する企業向けの保険管理システムです。これにより、企業は保険会社を間に挟むことなく、従業員に最適な医療サービスを提供できるうえ、医療コストを効果的に管理できるよう支援しているのが最大の特長と言えるでしょう。
この大胆な資金調達のニュースは、直ちにSNSでも大きな反響を呼びました。特に「医療費の高騰が社会問題となっている米国で、このデジタルを活用した新しい仕組みは非常に期待できる」「ソフトバンク・ビジョン・ファンドの巨額の投資は、このビジネスモデルの将来性を示すものだ」といった、事業の革新性に着目した声が目立ちます。米国では、従業員向けの医療保険を企業が提供するのが一般的で、そのコスト削減と質の向上は大きな課題であり、コレクティブヘルスが提供するソリューションに対する関心の高さがうかがえます。
私自身の見解としましては、この動きは、医療保険の提供者と利用者の間に存在する「情報の非対称性」を解消する、極めて重要な一歩になるはずです。情報の非対称性とは、提供者側(この場合は従来の保険会社など)が、利用者側よりも圧倒的に多くの情報を持っている状態を指し、これが非効率や不信感を生む原因にもなっていました。コレクティブヘルスが提供するシステムは、企業がより透明性の高い情報に基づいて、最適な医療コストの管理と従業員へのサービス向上を実現できるように導くでしょう。これは、医療保険のあり方を根本から変える、極めて破壊的なイノベーションと言えるのではないでしょうか。
今回調達した莫大な資金は、主に顧客基盤のさらなる拡大への対応と、システム開発の強化に充てられる計画です。この強力な資金力を背景に、コレクティブヘルスが今後、米国の医療保険市場において、どのような変革を起こしていくのか、その動向に注目が集まることは間違いありません。デジタルヘルスという成長分野における、ソフトバンクグループの戦略的な一手に、大きな期待を寄せたいと思います。