世界をリードする米国の電気自動車、EV(エレクトリック・ビークル)メーカー、テスラのCEO(最高経営責任者)、イーロン・マスク氏が、ご自身のツイッターアカウントを削除したと表明したことがわかりました。この驚きのニュースは、現地時間の2019年6月17日までに報じられています。カリスマ経営者として知られる同氏のSNS発言は、これまでも大きな注目を集めていただけに、この突然の行動は多くの人々に衝撃を与えていることでしょう。
今回のアカウント削除は、マスク氏と米国の証券取引を監督する公的機関、米証券当局(一般にSEC、証券取引委員会として知られています)との間に続いてきた摩擦が背景にあると見られています。マスク氏のツイッターでの過去の発言は、テスラ社の株価に大きな影響を及ぼし、投資家や市場を混乱させたとして、SECから繰り返し訴訟を起こされてきました。公的な立場にある人物の情報発信が、これほどまでに問題視されることは異例中の異例だといえるでしょう。
特に記憶に新しいのは、2019年4月にマスク氏とSECの間で和解が成立した件です。この和解では、マスク氏の今後の情報発信を、テスラが雇用した弁護士が事前に監督するという、極めて異例の監視体制が敷かれることになっていました。今回のツイッターアカウントの削除は、こうした弁護士による監督、つまり「情報統制」ともいえる状況への不満、あるいは限界を示すものかもしれません。世界的な大企業のトップが、ご自身の発信源を断ち切るという選択は、非常に重い意味を持っていると考えられます。
この一連の出来事に対して、SNS上では大きな反響が巻き起こっています。多くのユーザーからは「自由な発言を封じられた結果ではないか」として、マスク氏に同情的な声があがる一方で、「公の人間としての責任を理解すべきだ」と、コンプライアンス順守を求める厳しい意見も飛び交っています。このカリスマCEOの動向は、常に賛否両論を巻き起こすものの、その行動一つ一つが、社会に与える影響の大きさは計り知れないといえるでしょう。
私見ではありますが、イーロン・マスク氏の今回の行動は、現代における企業トップの情報発信のあり方に、大きな一石を投じることになるのではないでしょうか。SNS時代において、トップの発言は瞬時に世界中に広がり、株価や企業イメージに直結します。しかし、あまりにも厳格な情報統制は、企業のイノベーションや透明性を阻害する可能性もあります。公的な責任と個人の発信の自由、この二つのバランスをどう取るかという、きわめて難解な課題を私たちに突き付けているように感じる次第です。