2019年6月18日、ヤンキースの田中将大投手が、ア・リーグ東地区首位を争うライバル、レイズとの3連戦初戦で、今シーズン初となる完封勝利を達成し、5勝目を挙げました。昨シーズン、2018年7月24日に完封を記録したのも同じレイズ戦であり、相性の良さを改めて証明する形となったと言えるでしょう。この圧巻の投球に、田中投手自身もマウンド付近でチームメイトと喜びを分かち合いながら、「自分自身が結構、この結果に驚いています」と語り、笑顔を見せていました。
試合序盤から田中投手の投球は冴えわたっており、3回までに毎回となる4つの三振を奪うなど、レイズ打線に一切の隙を与えません。特に左打者の内角、あるいは足元へ鋭く変化するスライダーが非常に効果的で、バットに空を切らせる場面が何度も見受けられました。この「スライダー」とは、ピッチャーの利き腕と反対方向へ曲がる変化球のことです。直球と同じ腕の振りから投げられ、打者の手元で急速に曲がるため、非常に打ちにくい球種として知られています。
田中投手と捕手サンチェス選手の連携も光り、ピンチの芽を的確に摘み取っていきました。6回には1死一塁の状況で、強打者ファム選手を空振り三振に仕留めると、その際に二盗を試みた一塁走者を、サンチェス選手が強肩で見事に刺殺。バッテリーによる併殺で、このイニングを無失点で切り抜けることに成功しました。チームメイトとの協力が、この快投を支えたことは間違いありません。
今シーズン、開幕から本来の切れを欠いていたとされる「スプリット」という球種がありました。これはフォークボールの一種で、人差し指と中指の間にボールを挟んで投げることで、打者の手元で急激に沈む変化球です。しかし、田中投手はスプリットの調子が万全でない中でも、スライダーや直球といった他の球種を巧みに組み合わせて配球し、打者の狙いを外す投球術を展開してきました。この試合後の分析として、「全ての球種を効果的に使うことができたからこそ、アウトを積み重ねることができたと思います」と自己評価しています。
この日の完封劇は、先発投手陣全体が不安定な時期にあるヤンキースにとって、極めて価値のあるものでした。田中投手はこれで8試合連続で6回以上を投球し、エースとしてチームを牽引し続けています。SNSでは、「マー君が帰ってきた!」「完璧なピッチング!」「これでヤンキースは安泰だ」など、興奮と称賛の声が相次ぎ、ファンはその圧倒的なパフォーマンスに酔いしれている様子です。また、田中投手は「バックの守りもそうだし、効果的に点を取ってくれた攻撃も助かりました」と、チームメイトへの感謝の気持ちも忘れず、その謙虚さもまた多くの支持を集めています。
私見として、この完封は田中投手の「引き出しの多さ」と「試合巧者ぶり」を改めて示すものでしょう。調子の良い球種だけでなく、その日の状況に応じて持ち球を自在に操る投球術は、もはやベテランの域に達していると言えます。全球種をバランス良く使うことで、特定の球種への依存を避ける戦略は、これからも長くトップレベルで活躍するためのカギとなるに違いありません。田中将大投手の今後のさらなる活躍に期待が高まります。