アルゼンチン大統領選、マクリ氏再選に黄信号。年率50%インフレと改革失敗、左派勢力が猛追

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2019年10月27日に投票が迫るアルゼンチン大統領選で、現職のマクリ大統領(中道右派)が再選の重大な岐路に立たされています。世論調査会社シノプシスの最新調査によれば、マクリ氏の支持率は26.2%と低迷。不支持率54%の半分以下という厳しい数字が突きつけられました。SNS上でも「インフレが酷すぎる」「改革の痛みが続くだけだ」といった国民の悲痛な声が広がっています。

国民を直撃しているのは、年率50%を超える異常な「インフレ(物価高騰)」です。スーパーで値札をにらむ年金生活の女性は「前回マクリ氏に投票したが失敗だった」と、生活の苦しさを吐露します。強烈な物価上昇で自由に使えるお金(可処分所得)は減り続け、消費は壊滅的に冷え込みました。2019年4月の自動車販売台数が前年同月比で52%も激減したというデータが、その深刻さを物語っています。

マクリ大統領は2015年12月、それまでの反米左派政権による保護主義的な経済からの脱却を掲げて当選しました。「経済の自由化」をスローガンに、為替取引の規制緩和や輸出関税の引き下げ、公共料金への補助金削減といった「痛みを伴う改革」を断行。当初、これらの政策は海外の投資家からは高く評価されていました。

しかし、その期待は2018年4月に暗転します。米国の利上げをきっかけに新興国経済への不安が広がり、アルゼンチン通貨「ペソ」が暴落。1年間で対ドル価値が半分以下になり、インフレが一気に悪化しました。マクリ政権は、最終的に「IMF(国際通貨基金)」へ資金支援を要請する事態に追い込まれたのです。「IMF」とは、財政危機に陥った国に融資を行う国際機関を指します。

マクリ氏の経済運営への不信感が広がる中、4年前に下野した左派陣営が急速に支持を回復させています。穏健派のアルベルト・フェルナンデス元首相を大統領候補に、2015年まで大統領を務めたクリスティナ・フェルナンデス氏を副大統領候補としてタッグを結成。マクリ氏の改革路線を批判し、低所得者向けの補助金増といった「富の分配」を訴え、国民の支持を集めています。

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