家畜の飼料や工業用原料として重要なトウモロコシの先物価格が、ここにきて上昇を強めています。2019年5月27日の東京商品取引所では、取引の中心である2020年5月物が前週末比490円(2%)高の1トン2万4460円を付け、3月下旬以来の高値圏で続伸しました。SNSでは「飼料価格が上がると、食卓の肉の値段にも響くかも」「異常気象の影響が心配だ」といった、消費者としての懸念の声が広がっています。
この価格上昇の背景にあるのは、世界最大のトウモロコシ輸出国である米国における作付け(種まき)の遅れです。種まきの重要なシーズンを迎えた米中西部の産地では悪天候が続き、イリノイ州やアイオワ州といった主要な生産地で農作業の遅延が目立っています。この状況は、作物の生育状況を示す「作況」の悪化、ひいては供給量が減少するのではないかという懸念を市場に広げているのです。
東京市場の先物価格は、米国のシカゴ先物市場での上昇の流れを引き継ぐ形となりました。フジトミの斎藤和彦チーフアナリストは、こうした供給不安を背景に、米国の生産者側で「売り渋り」が広がる可能性を指摘しています。「売り渋り」とは、生産者が将来さらに価格が上がると見越して、今の価格での売却をためらう行為を指します。その上で、東京市場のトウモロコシ価格は今後、1トン3万円台に上昇する可能性もあるという見通しを示しています。