🔥【2019年最新予測】EC拡大で爆発!首都圏・近畿圏の物流施設需給が過去最高を更新、賃料上昇は止まらない

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電子商取引(EC)の急速な拡大に伴う宅配需要の旺盛な伸びを背景に、物流施設市場がかつてない活況を呈しています。特に首都圏では、2019年1月から3月の新規供給面積、および新規需要面積の双方が、四半期ベースの過去最高記録を大幅に更新しました。不動産サービス大手のシービーアールイー(CBRE)でリサーチシニアディレクターを務める高橋加寿子氏に、この大量供給下での需給の動向と今後の見通しについて詳しくお話を伺いました。景気の先行きには米中貿易摩擦の影響などで不透明感が増しているものの、日本の物流施設市場は極めて堅調に推移していることが分かります。

高橋氏によると、2019年1月から3月の首都圏(東京・千葉・埼玉・神奈川)における大型物流施設(延べ床面積3万3,000平方メートル超)の新規供給面積は66万9,900平方メートルに達し、これに対する新規需要、つまり新たに入居が決まった面積も62万3,700平方メートルと、需給ともに四半期ベースで過去最高を記録しました。この需要水準は、それまでの過去最高だった前年同期と比べても、実に44%もの大幅な増加となっています。この期間には、物流施設大手ESRが手掛けた「ESR市川ディストリビューションセンター」(千葉県市川市)をはじめとする8棟の大型施設が竣工しています。

続く2019年4月から6月も、ラサール不動産投資顧問などによる国内最大級となる約30万平方メートルの「ロジポート川崎ベイ」(川崎市)が開設されるなど、大規模な開発が進行しています。さらに、同年12月までには、三井不動産の「MFLP船橋II」(千葉県船橋市、22万平方メートル超)や、プロロジスの「プロロジスパーク千葉1」(千葉市、約15万平方メートル)といった、超大型の施設の竣工が予定されており、2019年は通年で過去最高の大量供給となる見込みです。

これほどの大量供給にもかかわらず、気になるのが空室率の動向ですが、高橋氏は楽観的な見通しを示しています。2019年3月末時点の首都圏平均空室率は4.9%と依然として低水準を維持しており、2018年12月末からわずか0.1ポイントの上昇にとどまっています。これは、大量に供給された物件を旺盛な需要がしっかりと吸収していることを示しています。特に注目すべきは、主要な幹線道路である外環道(東京外かく環状道路のこと)周辺のエリアで、「ESR市川ディストリビューションセンター」が満室で竣工するなど、空室率が前月比でむしろ低下し、0.7%という極めて低い水準にあることです。

高橋氏の予測では、2019年6月末には首都圏平均空室率が4.5%まで低下し、その後も5%前後で推移する見込みとのこと。さらに、2020年12月末時点では4.1%まで下がると予測されており、新規物件の入居が堅調に内定していることが、この低空室率を支える大きな要因でしょう。供給過多の懸念を吹き飛ばすほどの強い需要が、市場の好調を持続させていると分析できます。

この力強い需要の源泉は、言うまでもなくECの拡大による宅配便の取扱個数の増加です。国土交通省のデータによると、宅配便の取扱個数は2017年度に42億5,100万個に上り、3年連続で増加傾向にあります。CBREの調査でも、約9割の企業が「ECの拡大が自社の物流戦略に影響している」と認識しており、物流倉庫の拡張を急ぐ動きが業界全体で加速しています。また、安定した収益が見込める不動産投資の対象としても、物流施設への魅力が相対的に高まっている状況です。

需要の拡大は、賃料の上昇という形で市場に現れています。首都圏では、東京湾岸、外環道、国道16号、圏央道といった主要な物流エリアの全地域で賃料が上昇しました。首都圏全体の平均賃料は、1坪(3.3平方メートル)あたり4,160円となり、2018年10月から12月期と比べて0.2%高くなっています。高橋氏は、今後も賃料の上昇は続くと予測しており、2020年12月末までの首都圏の賃料は、年間平均で1.6%の上昇を見込んでいるとのことです。特に、交通利便性の高い好立地の物件は、竣工前の早い段階で入居テナントが決定し、これが賃料水準全体を引き上げる一因にもなっていると考えられます。

近畿圏も需給改善!物流施設市場は全国的に好調

首都圏だけでなく、近畿圏の物流施設市場も著しい改善を見せています。近畿圏では、新規の需要が新規の供給を1年以上にわたって上回る状況が続いており、これに伴い空室率が大幅に低下しています。2019年3月末時点での空室率は9.1%で、2016年9月末以来の10%割れを達成しました。さらに、2019年9月末には7.3%まで下がると予測されており、需給のバランスが改善していることが鮮明です。賃料についても、2019年1月から3月期の平均賃料は1坪(3.3平方メートル)あたり3,570円と、前期比で1.1%上昇しており、今後も上昇が続く見通しだといえます。

物流施設の好調を支えるリスク要因についても、高橋氏は言及しています。現在の物流施設市場にとって、海外経済の変動よりも、むしろ国内における運送ドライバーや倉庫作業員といった人材不足の懸念の方が大きいかもしれません。つまり、施設そのものの不足ではなく、施設を稼働させるための労働力の確保こそが、今後の日本の物流を左右する重要な課題であると言えるでしょう。

筆者としては、このCBREの調査結果が示すように、物流施設市場がもはや景気変動に左右されにくい、極めて安定した市場構造へと変化していることに着目しています。EC化の波は不可逆であり、それに伴う効率的な配送ニーズは今後も高まる一方でしょう。この強い需要に支えられ、好立地の物流施設は引き続き堅調な投資対象としての魅力を放ち続けると確信しています。また、空室率の低下と賃料の上昇は、開発企業や投資家にとって非常に明るい材料ですが、最終的にそのコストが物流サービスを利用する企業や、ひいては消費者にどのように転嫁されていくのかも注視していく必要があるでしょう。

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