ゴルフの世界には、選ばれしトップ選手だけが直面する、不可解なジンクスが存在すると言われています。それは、キャリアの早い段階で圧倒的な強さを見せ、メジャー大会(四大大会)で立て続けに勝利を収めた後、突然タイトルから遠ざかってしまうという現象です。この現象は、トム・ワトソン選手、セベ・バレステロス選手、そしてロリー・マキロイ選手といった、ゴルフ史に名を刻むレジェンドたちにも起こりました。彼らが歩んだ道のりこそ、現在のゴルフ界で圧倒的な強さを誇るブルックス・ケプカ選手(米国)が今後たどるかもしれない道を示唆しているのです。
例えば、トム・ワトソン選手は1983年の全英オープンで勝利し、メジャー33戦で8勝という輝かしい実績を誇りましたが、当時33歳という円熟期にもかかわらず、この勝利を最後に四大大会のタイトルから遠ざかってしまいます。また、セベ・バレステロス選手も1988年の全英オープンを制し、メジャー通算5勝目を挙げたわずか31歳の絶頂期に、「新しい領域に入った」と評されながらも、その後はメジャータイトルを一つも獲得できませんでした。
このジンクスは過去の物語に留まりません。2014年に全英オープンと全米プロ選手権で優勝し、「マキロイの時代が訪れた」とまで言われたロリー・マキロイ選手も、その「時代」は短く、以降四大大会での優勝を果たせていません。なぜこのような現象が起こるのか、明確な説明はできないものの、長いゴルフの歴史の中には、確かにこの**「説明のつかない事実」が存在し続けているのです。
SNSでも、この「ジンクス」は度々話題になります。「マキロイが勝てなくなったのは気のせいじゃなかったのか」「ワトソンもバレステロスも目標を見失ったのかもしれない」といった、トップアスリートのメンタルとモチベーションの維持の難しさを指摘する声が多く見受けられます。ワトソン選手は1983年の全英オープンの後、「いまゴルフをやめなければいけないとしても、プロゴルファーとして望んだすべてを成し遂げた」と語っていますが、結果として目標を見失ってしまったのかどうかは、本人にしか分からないことです。
そのような歴史の中で、今、最も注目されているのが、ブルックス・ケプカ選手の動向です。先日、彼は全米プロ選手権を連覇されました。これにより、彼が出場した直近の四大大会8戦で4勝という、驚異的な強さを誇っています。これは、ワトソン選手やマキロイ選手が全盛期に記録したペースに匹敵するか、それを上回る圧倒的な数字と言えるでしょう。
今後、ケプカ選手がこのままメジャー10勝という大台に向けて勝利を積み重ねていくのか、それとも、過去の偉人たちと同じように突然ブレーキがかかってしまうのか。それは、彼がこのゴルフ界の「ジンクス」という大きな運命の力に抗うのか、それとものまれてしまう**のか、を意味します。この偉大なジンクスの入り口に立つ選手自体、ごく一握りですが、ケプカ選手は間違いなく、今その最も近くにいるのです。ゴルフジャーナリストのジム・マッケイブ氏の指摘の通り、ケプカ選手が今後どのような道を歩むのか、歴史的な視点からも目が離せないでしょう。