近年、記録的な豪雨や猛暑といった異常気象が相次ぐ中で、企業経営における気候変動リスクへの関心が急速に高まっています。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が上場企業を対象に行った最新の調査結果によると、「気候変動」をESG活動の主要テーマとして最優先に据えていると回答した企業が、全体の約半数に上ったことが判明しました。ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字を取った言葉で、投資家が企業の持続的な成長を判断するための非財務的要素を指します。
この調査は、2019年1月から2月にかけて東証1部上場企業2,129社を対象に行われ、604社から回答を得ました。ESG活動における主要テーマ(最大5つ)について尋ねたところ、「コーポレートガバナンス(企業統治)」を挙げた企業が71.2%でトップを維持しましたが、注目すべきは「気候変動」です。その回答割合は45.5%に達し、わずか1年前の調査から9.2ポイントも伸びるという、顕著な関心の高まりを示しています。
一方で、昨年2番目に主要テーマとされていた「ダイバーシティ(多様性)」は41.6%と、前回調査から1.4ポイント減少しました。これは、企業が社会的なテーマを軽視しているわけではなく、地球規模の喫緊の課題である気候変動を、自社の存続に関わる最大のリスクとして認識し始めたことを示していると言えるでしょう。
SNS上では、このGPIFの調査結果に対し、「投資家が環境意識を高めている証拠だ」「企業がようやく本気になり始めた」といった、ポジティブな評価が多く見受けられました。また、「気候変動が株価に影響を与える時代になった」と、ESG投資の重要性の高まりを指摘するコメントも散見されています。実際に、金融庁と経済産業省の呼びかけで、気候変動が業績に与える影響の情報開示について話し合う企業連合には、発足した2019年5月27日時点で164機関が参加するなど、環境意識を高めて中長期の安定的な資金を取り込もうとする企業の動きが、明確に加速している状況です。
私自身の意見としましては、この企業の「気候変動」への関心の高まりは、単なるCSR(企業の社会的責任)活動ではなく、企業の持続可能性(サステナビリティ)と投資マネーが直結するようになった、現代の市場の大きな変化を反映していると考えます。これまで遅れていた環境分野での情報開示が進むことで、より透明性の高いESG投資が促進され、企業は環境対策をコストではなく、未来への投資として捉えるようになるでしょう。この流れは、日本企業がグローバル市場で競争力を維持するための、必要不可欠な変革であると言えるに違いありません。