2019年5月29日付の報道は、JR西日本が、来るべきキャッシュレス社会に向けて、大規模な決済インフラの整備に乗り出したというニュースを伝えました。同社は、2020年2月までに、運営するショッピングセンター(SC)28施設、約3,000のテナント店舗で、キャッシュレス決済サービスを一気に拡大する方針を打ち出したのです。これは、インバウンド(訪日外国人)や日本の若年層の間で、現金を使わない決済が急速に広がっているという、時代の変化に合わせた、迅速な対応だと言えるでしょう。
今回の取り組みの大きな特徴は、決済手段を多角化する**「マルチ決済」戦略にあります。従来のクレジットカードや、交通系電子マネーといったお馴染みの決済方法に加え、KDDIの「au PAY」、ソフトバンクグループとヤフーの「PayPay(ペイペイ)」、楽天の「楽天ペイ」、メルカリの「メルペイ」など、多種多様なバーコード決済**を一斉に導入します。さらに、イオンの「WAON(ワオン)」などの電子マネーにも対応することで、幅広い顧客層のニーズに応える体制が整いました。
このサービスの導入は、既に天王寺ミオ(大阪市)や和歌山ミオ(和歌山市)で始まっており、今後はルクア大阪(大阪市)やアルデ新大阪(同)など、主要な駅直結施設で順次拡大していく予定でした。SNS上では当時、「いちいち財布を出さなくて済むのが助かる」「対応店舗が増えるのは本当に嬉しい」といった、利便性の向上を歓迎する声や、「これでQRコード決済の覇権争いがさらに激しくなる」といった市場動向への関心が寄せられていました。
コラムニストとしての私の意見ですが、このJR西日本の決断は、「鉄道会社のインフラ」と「デジタル決済」を融合させる、極めて戦略的な一歩です。駅という、人々の移動の結節点に位置するSCでマルチ決済に対応することは、国内外の利用者にシームレスな購買体験を提供し、施設全体の魅力と利便性を高めることにつながります。特に、中国や韓国からのインバウンド客が慣れ親しんだバーコード決済への対応強化は、消費活動を促すための**「おもてなし」**として機能するでしょう。