2019年5月29日付の報道は、前日の午後にさいたま市見沼区の路上で発生した、衝撃的な事件を伝えました。5月28日午後2時15分ごろ、警察官が刃物を持って向かってきた男に発砲し、男は搬送先の病院で死亡が確認されました。亡くなったのは近くに住む職業不詳の鎌田幸作容疑者(68歳)でした。この事件は、警察官が拳銃の使用という極めて重い判断を下さざるを得なかった、緊迫した現場の状況を浮き彫りにしています。
事件の発端は、午後2時ごろ、近くの住民からの「路上で人が倒れている」という119番通報でした。大宮東署の警察官2人が現場に駆けつけたところ、鎌田容疑者が刃渡り約16センチの包丁を持って警察官に向かってきたといいます。警察官はまず、空に向けて威嚇射撃を行いましたが、それでも容疑者が包丁を振り上げ向かってきたため、警察官2人がそれぞれ1発ずつ発砲し、そのうちの1発が容疑者の腹部に命中したとされています。
SNS上では当時、「警察官の命が優先されるのは当然」「威嚇射撃をしても止まらないのは異常だ」といった、警察官の行動を擁護する声が多く上がる一方、「発砲に至るまでの経緯を詳細に知りたい」という、情報公開を求める意見も見受けられました。警察官の拳銃使用は、警察官職務執行法に基づき、**「自己や他人に対する生命、身体の危険を避けるためやむを得ないと判断された場合」**にのみ許される、最終手段です。
大宮東署の金光広和副署長は、「現時点では、拳銃使用については適正な職務執行であったと考えている」とコメントしています。コラムニストとしての私の意見ですが、この一言は、警察官が自らの命を守り、公衆の安全を確保するために、瞬時の判断で**「命を奪う可能性のある道具」**を使わざるを得なかったという、警察官の職務の重さと厳しさを象徴していると言えるでしょう。
この事件は、亡くなられた容疑者の死因究明とともに、発砲に至るまでの詳細な経緯が今後検証されることになります。安全な社会を維持するために、警察官が直面する危険と、その上で下される重い決断について、私たちは深く考えを巡らせる必要があるでしょう。