近年、日本中で「キャッシュレス」化が進む一方で、地方の商店街や自治体においては、大手IT企業が提供する決済サービスに頼るだけでは、地域独自の経済循環を生み出すのが難しいという課題を抱えています。そうした中で、凸版印刷が地方の活性化を後押しする画期的なサービスを発表しました。それが、2019年5月29日の時点で販売を開始した、地方自治体や商店街向けのキャッシュレス決済システム「地域Pay」です。
この「地域Pay」は、自治体や商店街が独自に発行する電子マネーや、プレミアム商品券といった複数の決済サービスを、一括して管理できるプラットフォームです。このシステムの根幹を成すのは、凸版印刷と富士通エフ・アイ・ピーが共同で運営する「サーバ管理型プリペイドASPサービス」という決済基盤です。この技術を活用することで、地域のニーズや事情に合わせて、オリジナルのキャッシュレスサービスを手軽に、かつ迅速に構築することが可能となります。
専門用語である「サーバ管理型プリペイドASPサービス」とは、システムを自前で持つことなく、事業者が用意したシステムをクラウド経由で利用する形態のことです。これにより、初期投資を抑えながらも、独自の電子マネーやポイントサービスを提供できるようになります。自治体や商店街が「地域Pay」を導入することで、煩雑なシステム開発をすることなく、地域内でのみ利用可能なキャッシュレス決済を手軽にスタートさせられるのです。
ただし、この「地域Pay」は、決済の主導権を地域側が持つことに特化しているため、「ペイペイ」のような大手事業者が提供する決済サービスの管理はできません。あくまで、自治体などが発行する独自の決済サービス専用のシステムとなります。SNSでは、「大手サービスに手数料を払わずに済むのが良い」「地域独自のポイント経済圏が生まれる」といった、地方経済の自立を期待する声が寄せられています。
私は、この「地域Pay」こそ、日本の地方創生を足元から支える重要なインフラだと強く主張したいです。地域内で発行・利用される電子マネーは、地域外への資金流出を防ぎ、消費を地元に留める効果が期待できます。独自の決済サービスを持つことは、地域経済を自分たちでデザインしていくという、自治体や商店街の主体的な取り組みを後押ししてくれるでしょう。このシステムが、今後の日本の地域経済にどのような循環を生み出していくのか、注目していきたいものです。