2018年度、四国地方への移住ブームが巻き起こっています。首都圏をはじめとする大都市圏から、四国4県へ居を移す人々の数が、転勤や進学などの理由を除く「移住者」として過去最多を記録しました。その合計は初めて6,000人を超え、具体的な人数としては前年度比26%増の6,139人に達しています。これは、地域によっては深刻な人口減少(ある地域の人口が減っていく現象)に苦しむ四国各地に、まさに光明を灯す明るいニュースといえるでしょう。
特に注目すべきは、その移住者の年齢層です。香川県や徳島県では、20代から30代の若い世代が半数以上を占めています。これは、子育て世代や将来の地域を担う人材が四国を選び始めていることを示唆しており、各県がこれまで注力してきた「暮らしの魅力」と「仕事への支援」のアピールが実を結びつつある証拠だと分析できます。若者や家族連れにとって、四国が魅力的な選択肢となっている様子がうかがえますね。
では、具体的な移住者数の内訳を見てみましょう。愛媛県が前年度比58%増の1,715人でトップに立ち、次いで香川県が23%増の1,697人、徳島県が17%増の1,402人、そして高知県が11%増の1,325人となりました。各県とも、移住フェアの開催や、首都圏などでの相談体制の強化を積極的に行った成果が数字となって表れていると言えるでしょう。この勢いを維持し、さらに多くの人々を呼び込むため、各県は今後も取り組みを加速させる見込みです。
四国への移住を検討する人々を惹きつけている要素の一つに、「島暮らし」の魅力があります。瀬戸内海に面した地域では、特にその傾向が顕著です。例えば愛媛県では、風光明媚な大三島などを抱える今治市が479人で移住者数トップでした。また、香川県では、瀬戸内国際芸術祭(おおよそ3年に一度、瀬戸内の島々を舞台に開催される現代アートの祭典)の会場としても知られる直島、豊島、小豆島といった3町の合計移住者数が416人となり、県全体の約4分の1を占めるなど、アートと自然が融合した島の生活が強い引力となっていることがわかります。
ただし、喜んでばかりはいられません。この移住者増には、四国4県間での人口移動も含まれているのが現状です。例えば香川県のデータでは、移住者の2割超が四国内からの移動だといいます。これは、それぞれの地域にとってはプラスに作用しますが、四国全体としての人口増加(ある地域に住む人が増える現象)への貢献は限定的となってしまいます。四国が抱える人手不足の解消に真につなげるためには、やはり関東などの三大都市圏からの移住者をより一層獲得していく必要があるでしょう。
🚀大都市圏からの移住を強力にサポート!仕事と支援金で加速する四国移住
三大都市圏からの人材獲得を目指し、具体的な動きも活発化しています。例えば、人材派遣業のクリエアナブキは、東京や大阪に転職支援の拠点を開設し、自治体と連携を取りながら四国への移住を力強く後押ししています。この人材紹介事業は非常に好調で、2019年3月期の売上高は約2億円と、前の期と比べて27%も伸びています。これは、地方への転職需要が高まっていること、そしてそれを支える仕組みが機能し始めていることを示しています。
さらに、経済的なサポートも充実してきています。香川県は、2019年度から移住支援金事業を開始しました。これは、東京23区(在住者または通勤者)から移住し、なおかつ起業支援金(地域での起業を支援するお金)の交付決定を受けるなどの特定の条件を満たした場合に、2人以上の世帯には100万円、単身者には60万円が支給されるというものです。このような経済的な支援は、移住希望者にとって大きな魅力となるでしょう。
私見ですが、今回の移住者増加の背景には、大都市圏での過度な競争や、子育て環境への不安、そしてIT技術の進化によるリモートワーク(会社から離れた場所で働くこと)の普及などが複合的に影響しているのではないでしょうか。四国は、豊かな自然、温暖な気候、そして都市部と比較して生活コストを抑えられる可能性を秘めています。地方創生の鍵は「住みたい場所」と「働きたい場所」を結びつけることにあり、四国がその好例となりつつあると確信しています。今後も各県の努力により、「移住希望地ランキング」をさらに上昇させ、日本の未来を担う優秀な人材を惹きつけ続けることを期待したいものです。
この四国への移住ブームは、SNSでも大きな反響を呼んでいます。「#四国移住」や「#島暮らし」といったハッシュタグとともに、「四国は人が温かい」「自然が豊かで子育てに最高」「瀬戸内アート巡りができる島に住みたい」といったポジティブな意見が多く投稿されています。特に、美しい海や山の写真とともに投稿される現地の暮らしの様子は、多くの人々の心を捉え、「いつかは移住を」という憧れを抱かせているようです。