【2019年最新技術】日本の「ものづくり」がAIとIoTで劇的進化!物質・材料研究機構が挑む研究現場のデジタル革命とは

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2019年5月28日、日本の科学技術の集積地であるつくば市から、日本の製造業の未来を左右するかもしれない画期的なニュースが届きました。物質・材料研究機構(NIMS)が、AI(人工知能)とIoT(モノのインターネット)を駆使して、新素材開発の現場を劇的に変えようとしているのです。

皆さんは「マテリアルズ・インフォマティクス(MI)」という言葉をご存じでしょうか。これは、従来の実験と経験に頼る手法ではなく、情報科学(AIやビッグデータ)の力を借りて、新素材の設計や開発時間を大幅に短縮しようという新しい研究手法です。今回NIMSが発表したのは、このMIを加速させるための「足回り」とも言える画期的なデータ収集システムです。

研究現場の「ネットに繋げられない」というジレンマ

AIに賢い学習をさせるためには、膨大な実験データが必要です。しかし、ここには大きな壁がありました。実は、多くの研究現場にある計測装置は、インターネットに接続されていないのです。理由はセキュリティの問題や、制御用のパソコンのOSが古いため、ネットに繋ぐとウイルス感染や不具合のリスクがあるからです。

そのため、これまでは研究者がUSBメモリを使ってデータを一つ一つ手動で回収するという、非常にアナログで非効率な作業を強いられていました。最先端の研究をしているのに、データの運び方は昭和のまま、という矛盾がそこにはあったのです。この「ラストワンマイル」の問題を解決するために、NIMSは東芝グループとタッグを組みました。

コロンブスの卵!「Wi-Fi対応SDカード」の活用

そこで開発されたのが、市販の「Wi-Fi対応SDカード」を活用したシステムです。これはまさにコロンブスの卵と言えるアイデアでしょう。装置に繋がったパソコンにこのカードを差し込むだけで、データが自動的にサーバーへ無線転送される仕組みを作り上げたのです。

特に素晴らしいのはそのセキュリティ設計です。カードの通信機能を「一方通行」に制限することで、外部からの不正アクセスやウイルスの侵入をシャットアウトしました。さらに、軽量なプログラム言語「Lua」を使用し、サーバー上では特定の利用者しかファイルを開けない「私書箱」のような機能も実装しています。1枚数千円という低コストで導入できる点も、予算に限りがある研究現場にとっては朗報でしょう。

SNSでの反響と今後の展望

この発表に対し、SNS上の研究者やエンジニアからは「USBメモリでのデータ移動という苦行からやっと解放される!」「セキュリティと利便性を安価に両立させる素晴らしいアイデアだ」といった、歓喜と称賛の声が上がっています。現場の苦労を知る人ほど、このシステムのありがたみが分かるのでしょう。

さらにNIMSは、集めたデータをAIが読みやすい形式(XMLファイル)に自動変換するツールも開発しました。「誰が、いつ、どう測ったか」という付帯情報(メタデータ)を整理することで、データの検索や比較が格段に楽になります。

コラムニストの視点:情報を制する者が世界を制す

このシステムは2019年度中に試験導入され、2020年度には本格運用される予定です。さらに注目すべきは、三菱ケミカルや住友化学といったライバル企業同士が、この分野では手を組んでオープンイノベーションを進めている点です。かつては企業秘密の塊だったデータの一部を共有し、オールジャパンで素材開発を加速させようとしています。

孫子の兵法に「情報を制する者は戦いを制す」とありますが、まさに現代の素材開発は情報戦です。日本の職人芸的な「勘と経験」に、AIによる「データ分析」が組み合わされれば、鬼に金棒でしょう。この地味ながらも強力なインフラ整備こそが、欧米や中国との激しい開発競争に打ち勝つための重要な鍵になると、私は確信しています。

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