トランプ米大統領が大相撲を観戦し、世界中で「SUMO」への注目度が最高潮に達している今日この頃。見るだけでは飽き足らない、実際に力士になってみたいという外国人観光客の夢を叶える画期的なスポットが大阪に誕生しました。
地域交流施設「アクティブ・スクエア・大東」(大阪府大東市)を運営する大東倶楽部は、2019年5月28日までに、インバウンド(訪日外国人)向けの本格的な相撲体験プログラムを開始すると発表しました。ここでは、なんと本物の土俵に上がり、力士さながらの稽古を体験できるのです。
総工費4000万円!国技館と同じ「土」へのこだわり
「体験」といっても、子供だましのセットではありません。設置された土俵は、相撲の聖地・東京の両国国技館と同じ土を取り寄せ、専門の職人が作り上げた正真正銘の本物です。その本気度は、併設された櫓(やぐら)などを含めた投資額が4000万円にのぼるということからも伝わってきます。
そのクオリティの高さは、プロのお墨付きです。あの大相撲春場所の際には、湊部屋の力士たちが実際に稽古場として使用したという実績があります。憧れの力士たちが汗と砂にまみれたその場所で、実業団選手から直接指導を受けられるのですから、相撲ファンにはたまりません。
参加者は「まわし」、あるいは着ぐるみのような「相撲スーツ」を着用し、四股(しこ/足を高く上げて地面を強く踏む動作)や、股割り、ぶつかり稽古などに汗を流します。稽古のあとには、力士の主食である鍋料理「ちゃんこ鍋」を自分たちで作って食べる体験もセットになっており、心もお腹も満たされる2時間となるでしょう。
「女性も土俵へ」伝統と観光の新たな融合
私がこのプログラムで最も注目し、拍手を送りたいのが「女性も土俵に上がれる」という点です。伝統的な大相撲の世界では「女人禁制」が厳格なルールとして存在しますが、ここでは性別を問わず日本の国技に触れることができます。
一般的な相撲体験では、土俵そのものがなかったり、あっても女性は上がれなかったりと制約が多いのが現実でした。しかし、文化を世界に広めるためには、こうした柔軟な姿勢こそが必要ではないでしょうか。観光という切り口で伝統の扉を開くこの試みは、日本のインバウンド戦略における一つの正解だと私は感じます。
SNS上でも、このニュースには早くも反応が見られます。「相撲スーツなら恥ずかしくないし楽しそう!」「女性が土俵に入れるなんて貴重な体験」「外国人の友人が来たら絶対連れて行きたい」といった、新しい日本体験への期待の声が多く上がっているようです。
ラグビーW杯の熱狂を追い風に
このタイミングでの発表には、明確な勝算があります。お隣の東大阪市花園ラグビー場では、来る9月にラグビーワールドカップの4試合が開催される予定です。屈強な男たちがぶつかり合うラグビーと相撲は、親和性が非常に高いスポーツと言えるでしょう。
大東倶楽部の植田清伸ゼネラルマネージャーが「観戦に訪れるインバウンドを呼び込みたい」と語る通り、世界中から集まるラグビーファンにとって、この相撲体験は最高のサイドメニューになるはずです。
料金は大人8800円、子ども7700円。会場となるアクティブ・スクエア・大東は、実は4階建ての旧小学校校舎をリノベーションした施設で、宿泊も可能です。教室だった場所で眠り、土俵で汗を流す。そんな不思議で濃密な日本体験が、大阪の新しい名物になる日は近いかもしれません。