日本人の英語力の低さが問題になって久しい。
日本人は6年間以上も学校で英語を勉強しているのに、全然使いこなせるようになれないと数十年にわたって言われ続けてきた。
入試の問題傾向を変えたり教育にメスを入れてもなかなか改善しない日本人の英語力。
自動翻訳の精度向上によって英語の勉強なんて時間の無駄とさえ言われるようになった。
世間には「英語が簡単にできるようになる」と謳う高額な教材やレッスンが溢れているが、英語は普通に頑張ればほとんどの人は数か月で日常会話程度はできるようになるのだ。
もちろん高額な料金など一切必要ない。
私は真実しかいいません。英語なんて大抵の人は半年もあればある程度使いこなせるようになれるのです。
まずは間違った英語学習について解説していきましょう
分からない単語が出てくると辞書を引く
昔の英語の授業でのリーディングの文章の時、決まって学校の先生は文章に出てくるわからない単語を辞書で調べることを予習としてやらせいた。
知らない単語を辞書で調べて予習してきていることが前提に授業が進められ、授業の中で新たな単語が出てくると皆で辞書を引くという辞書は神様と言わんばかりの授業である。
そもそもわからない単語の意味など、語注が付いていればそれで済む話であり、なぜわざわざ面倒で時間のかかる手段で意味を調べさせるのかは極めてなどだ。
それに対して自分で辞書を引くことで単語の意味を覚えやすくなるとか、英語の辞書には沢山の訳語が記載されており、それらの訳語を見ると理解が深まるとの反論がなされてきた。
そもそも英単語の意味など、たくさんの訳語を見たところで、今の文脈で使われている意味しか頭に入ってこないものだ。
文脈と切り離して英単語と訳語を1対1で暗記しようなど、英語が苦手になる人の典型パターンと言えるだろう。
このように苦労する言葉美徳だと言わんばかりに効率の悪い英語勉強法を強いてきた日本の義務教育の欠陥はあきらかだろう。
文脈と切り離した英単語の丸暗記の弊害
英語に限らず語学学習で必ず行きつくのが単語の暗記問題である。
確かに言葉は単語を基盤に構成されており、単語と単語を一定のルールに従って並べることで文章の意味が決まるものだ。
ある程度基本的な学習が終わると、単語を覚えれば英語ができるようになると言わんばかりの思い込みで単語を暗記することに躍起になる人が多発する。
特に受験生ともなれば、入試の難解な英語を読解するために、とにかく単語を覚えればどうにかなると言わんばかりの人が散見される。
もちろん大量の単語を覚えることで何とか受験を乗り切った成功体験をもつ受験生は少なくないだろう。
しかし単語を文脈と切り離して強引に覚えようとして挫折したり、英語嫌いになってしまう者は想像以上に多い。
難しい単語を沢山覚えた割に、簡単な英会話は英作文もできない日本人は枚挙に暇がない。
もっとも確実で効果的な英語学習方法は、英単語は単体で覚えず、文脈の中で自然に覚えることだ。
できれば単語を覚えるのではなく、例文全体をそのまま覚えた方が圧倒的に英語力は向上する。
そもそも大量の英単語を覚えても、まったく英語力が向上しなかったり、逆に英語がどんどん嫌いになるのは、使い道のわからないアルファベットの固まりをただ丸暗記してるからだ。
言葉とういうのは、文脈の中で初めてその役割と意味が確定する。
文章やフレーズごと覚えないと、英語はできるようにならないのである。
逆に文章やフレーズなどの塊で英語を覚えると、単語単体で覚えるより遥かに応用力が身につき、未知の文章でも解釈が容易になるのだ。
この辺は理屈で説明しても腑に落ちないだろう。
とにかく英語学習で文章と切り離して英単語単体を必死で覚えようとするのはご法度なのだ。
初期の頃に簡単な例文を沢山覚えさせてない弊害
ほとんどの学校の英語授業は、試験によく出る文法問題を理屈っぽく解説したり、長文を辞書を使いながら簡単な構文解説で全訳をしていく授業に終始している。
英語を読むためには構文の把握が必要であり、それは英文法とも通じていることであるため、必ずしも間違った指導とは言えない。
しかし中学高校の6年間英語を勉強し、大学受験のためまでにも勉強した英語で簡単な英会話すらできない人が日本人にはあまりに多い。
それは短い英文の暗唱を軽視していることが最大の原因だ。
英会話など、簡単な会話表現を覚えれば、それらの組み合わせである程度は数か月で出来るようになるはずのものだ。
細かい理屈はともかく、「こういいたい場合はこういう英語表現を使う」というように簡単なフレーズを覚えていけばいいだけなのだ。
騙されたと思って短い会話の例文を300程度完璧に暗記して見てほしい。暗記するときには必ず音声を聞きながら、一緒に声に出して発音してみてほしい。
すると見違えるほど英会話ができるようになるのがお分かりいただけるだろう。
また短い英文の暗記は、英語の長文を読むリーディングや英文法、リスニング全てにおいて、抜群の波及効果をもたらすのだ。
英語の小難しい勉強をする前に、まず簡単な例文を数百暗記することが英語上達への鍵なのである。
英文法必要論と不要論
英語学習で必ずと言っていいほど議論になるのが、英文法の重要性だ。
英文の細かい構文や語法を理詰めで叩き込み、1文1文正確に理解していくことに重きを置く英文法必要論者。
多くの英語に慣れ親しんでいる中で自然に英語は身に付くものであり、小難しい英文法の学習など必要ないと主張する英文法不要論者。
両者の主張に一理あるだろう。
我々は母国語である日本語を習得するのに文法など学習していない。自然に身につけたのだ。
しかしネイティブではない日本人が、日本語とまったく構造を異にする英語を身につけるのに英文法を無視することができないのも事実である。
英文法と一言に行っても様々だ。
英文を解釈する上で根幹となる構文の把握もあれば、時制やら語法やイディオムなどの細かいルールも文法に区分けされている。
正直英文法は必要だ。
ただし英文法の学習にも優先順位がある。
この優先順位をウヤムヤニしてしまうと、英語学習を泥沼におとしめてしまう。
まず優先すべきは構文の把握だ。
もっと言えば英文の構造である5文型の完全な理解である。
それ以外の細かな文法は英語学習が進んでくると自ずと理解が深まる。
細かな語法やイディオムなどはその都度文脈のなかで覚えるしかない。
しかし私の知っている限り英語の文型の正確な理解が出来ている日本人は非常に少ない。
英文を解釈するための根幹である文型を疎かにして、入試で問われる枝葉の英文法学習に奔走するのだ。
結果英文法は理屈っぽくて細かいルールを暗記することだと誤解してしまう。
実際細かな語法やイディオムなど文脈の中で自然に覚えてた方が、英語学習ははかどる。
その事実に気づいた人々から英文法不要論が語られるのだ。
もう一度言おう。英文法で外してはいけないポイントは5文型の正確な把握である。
音と切り離した英語学習!リスニングとリーディングを別個に捉える無意味さ
日本の英語教育では英語を「読む」「書く」「聞く」「話す」の四技能を、まるで別の科目の学習をするかのごとく指導する傾向があります。
もちろん英語を聞いたり話したりするコミュニケーション能力と、英文を読む能力は完全には一致してはいないでしょう。
しかしリーディングで読んだ英文を音声で聞き取る練習をしたり、音読してフレーズとして暗記すれば、リスニングやスピーキング、ライティング能力も鍛えられます。
そもそも活字だけで英文を理解し習得しようとするのは完全に非効率です。
読んだ英文を音として聞いて、声に出して発音するのが、もっとも英語力が向上するでしょう。
読んで・聞いて・発音する英語学習過程の中で、リーディングとリスニングを区別する必要はありません。
両方英語です。
ところが日本の英語教育では、リーディングとリスニングを切り離し、リーディングの時間には英文の解釈は教えるものの、音声を聞きこんだり発音したりしないことが多いです。
リーディングは英文を読んで解釈するものであり、英語を聞いたり話したりする学習ではないとの考えからでしょう。
せっかく解釈できるようになった英文を、音声と切り離した学習だけするのは非常にもったいないです。