【5Gとサイバーセキュリティの未来】タイがファーウェイ排除を否定!アジアのデータ戦略と日本の役割を徹底解説

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2019年05月31日、第25回国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)において、タイのピチェート・デジタル経済社会相が講演し、同国の次世代通信規格である5G(ファイブジー)事業に関する注目すべき方針を表明されました。それは、5Gネットワークの構築において、特定の企業を排除せず、「すべてのプレーヤーに門戸を開く」というスタンスです。この発言は、世界的な注目を集める中国の通信機器大手、華為技術、すなわちファーウェイに対する排除の動きを否定するものとして、アジアのデジタル戦略に大きな一石を投じるものといえるでしょう。

当時のトランプ米政権は、ファーウェイの製品が中国政府によるスパイ活動に利用される可能性があるとして、同社の製品を排除するよう、各国に強い圧力をかけていました。このような背景の中で、タイがデジタル経済の推進において、地政学的な対立ではなく、あくまで技術と経済合理性を優先する姿勢を見せたことは、非常に興味深い選択です。私自身の見解としては、各国がデジタルインフラを整備する上で、特定の国や企業に過度に依存せず、競争原理に基づいた多角的なサプライヤーの選定を行うことは、技術革新を促し、コストを抑制する上で極めて重要であると考えます。

しかしながら、ピチェート氏は、技術開発が進む5Gに関して、セキュリティへの懸念を抱いていることも同時に強調されました。5Gは、単に通信速度が向上するだけでなく、より多くのデバイスがネットワークに接続されるIoT(モノのインターネット)社会の基盤となるため、データの取り扱いと保護は最優先の課題です。同氏は、各国企業に対し、データの厳重管理を強く求め、「強力なガイドラインが必要だ」と述べられました。この「強力なガイドライン」の策定こそが、デジタル時代の信頼性を担保する鍵となるでしょう。

さらに、同氏は、ソーシャルメディア上で誤った情報、いわゆるフェイクニュースが瞬く間に拡散してしまうという、現代社会の深刻な問題にも言及されました。この課題に対処するため、タイは学校でのメディア教育を必須とし、全国規模で専門の講師を派遣する方針を打ち出しました。これは、技術的な対策だけでなく、国民一人ひとりの情報リテラシーを高めることの重要性を認識した、賢明な一手であると評価できます。技術の進化とともに、社会の側も変化に適応していく努力が不可欠なのです。

サイバー防衛の国際基準と日本のリーダーシップ

この会議では、米調査会社ユーラシア・グループのイアン・ブレマー社長もビデオを通じて出演し、現代の安全保障におけるサイバー防衛の重要性を改めて指摘されました。ブレマー社長は、サイバー空間の脅威に対抗するためには、一国だけでの対応には限界があり、多国間で共通の基準を早急に作り上げる必要があるとの見解を示されました。私も、サイバー空間は国境がないため、国際協調によるルール作りが不可欠であるという点に全く同意見でございます。

特に、ブレマー社長は、このサイバー防衛の分野において、日本が主導的な役割を果たすことに大きな期待を寄せられました。そして、当時の日本の指導者であった安倍晋三首相を「世界で最も影響力がある指導者だ」と評し、そのリーダーシップに注目が集まっていることを示唆されました。これは、日本が培ってきた技術力と国際社会における信頼性が、デジタルトランスフォーメーション時代において、極めて高い価値を持つことの証左でしょう。

また、データ管理の基準作りに関しては、中国が参加せざるを得ないような、魅力的な枠組みを構築することが望ましいとブレマー社長は指摘されました。これは、単に中国を排除するのではなく、国際的なルールメイキングのプロセスに引き込み、共通の基準の下で競争させることの重要性を意味しています。SNS上でも、「セキュリティと経済発展の両立は可能なのか」「日本がデータガバナンスの旗振り役になるべきだ」といった反響が飛び交い、アジアにおけるデジタル戦略のあり方について、活発な議論が巻き起こっています。日本がどのような「魅力的な枠組み」を提示できるのか、世界がその一挙手一投足に注目していることでしょう。

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