貿易摩擦の波紋:日経平均株価が21,000円割れ!ディフェンシブ銘柄に売りが集中した2019年5月31日の株式市場を徹底解説

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2019年5月31日の東京株式市場では、日経平均株価が小幅ながらも続落し、多くの投資家に動揺が走りました。特筆すべきは、終値が3月25日以来およそ2ヵ月ぶりに21,000円の大台を割り込んだという事実でしょう。この事態の背景には、世界経済の行く末を案じさせる重大な懸念が存在していました。

相場全体に冷や水を浴びせた主因は、米中貿易摩擦の長期化に対する深い懸念です。この摩擦が世界経済全体を停滞させるのではないかという不安感から、前日のアメリカ株式市場では主要な指数が軒並み下落。その流れを受けて、日本株も下落への圧力を強く受けたと言えます。特に海外ヘッジファンドの動きが注目されました。彼らは日本株の先行きが不安だと判断し、株価指数先物に対して大量の売り注文を浴びせかけていたのです。先物取引とは、将来の決められた日に、あらかじめ決めた価格で売買する約束をする取引のことです。

しかし、市場の底堅さを示す動きもありました。株価が下がった水準、すなわち下値では、主に個人投資家などからの買い注文が入っていました。これは「株価が下がったら買い時だ」と考える投資家が一定数いることを示しており、相場が一方的に崩れるのを防ぐ防波堤のような役割を果たしたと言えるでしょう。

今回の下落相場で、意外な形で相場の重荷となったのが、ディフェンシブ銘柄への売りです。具体的には、食料品や医薬品といったセクターがこれにあたります。ディフェンシブ銘柄とは、景気の変動に業績が左右されにくい企業の株式を指します。不景気になっても、人々は食事をとり、病気になれば薬を買うため、比較的収益が安定しやすいとされ、通常は不況時に買われる傾向があるのですが、今回はその真逆の動きを見せたことが、市場関係者に大きな驚きを与えたはずです。

このディフェンシブ銘柄への売りは、投資家が「有事の円」のように安全資産を求め、一時的に利益を確保するために、これまで買っていた安定株を売却した可能性を示唆しています。この不安定な状況下で、リスク回避の動きが非常に強く出ていると推察できます。この日の市場は、日経平均株価だけでなく、JPX日経インデックス400、東証株価指数(TOPIX)、さらには新興市場である日経ジャスダック平均株価、東証マザーズ指数まで、軒並み続落という結果に終わってしまいました。

この日の市場の動きは、米中貿易摩擦という国際的な大問題が、いかにして日本の個別銘柄の動向、ひいては私たちの資産形成にまで影響を及ぼすのかを鮮明に示したと言えるでしょう。SNS上では「ディフェンシブまで売られるのはヤバい」「もう何を買えばいいのか分からない」といった悲観的な声が飛び交い、市場の不安感が広まっている様子がうかがえます。

私自身の考えですが、この状況は短期的なパニックと捉えるべきです。確かに貿易摩擦は深刻な問題ですが、世界の工場であるアメリカと中国の経済が完全に停止することはありません。相場が全体的に下げている今こそ、優良銘柄を見極め、中長期的な視点を持って買いを入れる絶好の機会ではないでしょうか。不安に駆られて狼狽(ろうばい)売りをするのではなく、冷静に市場を分析し、行動することが求められる局面に入ったと言えるでしょう。

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