GW10連休の波紋!スーパー売上はなぜ失速?客数減と衣料品不振を深掘り【2019年4月小売業分析】

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2019年4月の主要スーパーの業績は、前年同月比でマイナスを記録し、小売業界にやや停滞ムードが漂っています。日本経済新聞社が発行する日経MJが主要スーパー16社を対象に実施した調査によると、全店の売上高合計は4,440億円で、前年同月と比較して0.6%の減少となりました。マイナス成長は2か月ぶりのことで、特に大型連休であるゴールデンウィーク(GW)の前半に消費者の客足が鈍ったことが、大きな要因として挙げられるでしょう。青果の価格が落ち着き「客単価」が上昇したにもかかわらず、「客数」の伸び悩みは業界全体にとって無視できない課題となっております。

この結果は、16社のうち7社が減収という形で現れています。中でも、イトーヨーカ堂は衣料品などの売り場を縮小する「スクラップ&ビルド」(不採算部門の縮小・撤廃と成長部門への資源集中)戦略の影響もあり、売場面積を5.3%減らした結果、売上高も5.5%の減収となりました。同様に、イズミヤも売場面積を4.0%縮小し、3.6%の減収に留まっています。また、マルエツは客数が3.0%も減少したことが響き、1.4%の減収を余儀なくされました。この事実は、単に店舗規模を調整するだけでなく、来店客を惹きつける施策の重要性を物語っていると言えるでしょう。

一方で、成長を見せた企業も存在します。イズミは売場面積を4.8%増やす「積極的な店舗展開」が功を奏し、売上高は3.0%の増収を達成しました。また、5店舗を純増させたライフコーポレーションも1.3%の増収を記録しています。地域密着型のコープこうべは1.6%、都市圏に強いサミットも1.3%の増収となり、顧客との接点を大切にする企業や、エリアの需要を的確に捉えた企業が健闘している様子がうかがえます。

部門別の売上高を見ると、スーパーの売上全体の7割超を占める食料品部門は、青果の価格が落ち着いたことで、0.7%増の3,330億円とわずかにプラス成長を維持しました。しかし、衣料品部門は前年より低い気温が影響し、春物や夏物商品の販売が不調で、9.1%もの大幅な減収(418億円)となりました。また、家庭雑貨も2.6%の減収(309億円)となっており、大型連休が必ずしも「モノ」を買う消費に繋がらなかったことが浮き彫りになっています。

より広範な視点で見ると、日本チェーンストア協会に加盟する58社の既存店売上高は、4月は1.0%の減少となり、こちらも2か月ぶりのマイナスです。「既存店売上高」とは、新規開店や閉店の影響を除外した、前年から営業している店舗同士の比較指標で、店舗の「地力」を示す重要な数値とされています。この既存店ベースでも、行楽需要に支えられた「総菜」は好調でしたが、畜産品などの不振により食料品全体では0.7%のマイナス成長となりました。特に衣料品は専門店との競争激化の影響もあって、7.0%という大きな減少を記録しています。

私の意見としては、今回の2019年4月の売上減は、単なる連休の谷間という一時的な現象として捉えるべきではないと考えます。特に衣料品の不振は深刻であり、スーパーの衣料品売り場は「専門店化」が進む小売業界の中で、独自の魅力を打ち出すことが難しくなっているのではないでしょうか。一方で、家具・インテリア部門が新生活需要を背景に13.3%と大きく伸びている事実は、消費者が「日々の暮らしを豊かにするもの」や「体験」に価値を見出し始めている証拠かもしれません。スーパーは、日用品や食料品といった「コモディティ」(差別化が難しい汎用品)の販売だけに留まらず、「生活提案」という付加価値をどう提供できるか、真剣に考える時期に来ているでしょう。

今回の記事に対するSNSでの反響を想像するに、「10連休でも結局、日々の食料品以外の買い物は控えたということか」「専門店じゃなくて、スーパーで服を買う人はもう少ないよね」といった声が多く見られそうです。また、増収を達成した企業の事例に対し、「やっぱり新しい店舗や、地域に根差したきめ細やかなサービスが鍵だ」といった前向きな意見も出ていると推察されます。小売業の競争環境はますます厳しくなっており、2019年4月のこの結果は、各社が今後の戦略を練る上で、極めて重要なデータとなるでしょう。

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